OT?


「OT_____

それはね、温かい音楽が流れる中

ぬり絵や間違い探しをするの」



「たのしそう!」


ぼくはさんか!したくなった!

でも、あのこはちがうみたい



あのこはえがお

みんなにえがおをふりまく


あのこのことを

ほんとうにしらないひとはいう



「あのこほんとうにうつ?

私にはそんなふうに見えないわ」


「元気そうでいいね」


「あの子が水槽を壊したの?!本当?」



あのこはびょうき

たくさんたくさんたくさん

くるしんでる


なのに

すてきなえがお

そしてあいてにかるくみられる。

それがいや。らしい

だから、


おじさんに

「OT参加したらいいのに」

って言われても


「私は大勢が苦手なので」

そういってわらう



ぼくはそのすてきなえがおを

なんでするんだ!って

いうわけじゃない


えがおはあのこがみにつけた

かんじょうをかくすのうりょく_____



Q.どうしてかんじょうをかくすの?


A.「分からない。でも_____



相手を心配させたくない

相手に気を使わせたくない

そう思うから、私が自然としてしまうの」


ぼくはなにもいえなかった

ぼくがしつもん、したのに

ぼくはなんていっていいかわからなかった



あのこにはさいのうがある

それもすごいの!


えっへん!


ぼくはとくいげ

だってだいすきなあのこは

すてきなさいのうのもちぬしで

ぼくはそのこのおともだちだからうれしい!



_____あのこはぬりえなんかしなくていい。

ぬりえをばかにしているわけじゃない


だってなにもないところに

えがかけるから


それもスマホにゆびで


ほじょせんなんかいらない

みずからきりひらける


あのこはスマホをみせてくれた

あのこにはたくさんのフォロワー?

がいるらしい


_____フォロワー

あのこにみせられたひとたちのあつまり

あのこのさいのうがうみだす、

さくひんがすきなひとたちのあつまり



そのかずは、はるかに1000をこえていた


「ひぇ、」


あのこをしじするひとは

そんなにもいるんだ、


でもあのこはいま

えをかいていない


かくのをやめた


なぜかというと

_____うつにほんとうにむきあうため。

それはおおきなけつだんだったとおもう


そのけつだんはよかったのか

わるかったのかわからない


だって、えをかくのをやめてから

うつがひどくなったから。



1いいねでよろこんでたあのこはいない

100いいねでよろこんでたあのこはいない

1000いいね

2000いいね


あのこはいった


「私はそのレベルの人間だった

2000強で終わる人間だった」


ちがうよ

ちがう、

きみならもっとうえを



「_____飽きた」



そういってなんどもあのこは

アカウントをけす。


そしてかきたいときにアカウントをつくる

するとまってましたとフォロワーがあつまる

そしてあきたといってけす


そのくりかえし


あのこはせかいとじぶんをくらべる

そりゃちっぽけだとおもうだろう


そしてこういう


「_____私には才能がない」


ぼくは


ぼくは

もどかしい


このこのさいのうはほんもの


でもこのこにとってはあたりまえ


きょくうにえがかけてあたりまえ

ゆびでえがかけてあたりまえ


さいのうのないひとは

このこをうらやむ


このこはその

うらやむレベルのにんげんをみない


あたりまえができないの?なんで?

ばかにしてるんじゃない

ふつうにぎもんなのだ


そうこのこはてんさい


「ねぇーー」


「ん?」


「ぼく、あきらめてほしくない。

えをまたかいてほしい」




「_____もふちゃん」


「へ」


ぼくはいつもえがおなあのこの

まがおにやられた



「全て終わったの_____


私の絵描き人生は終止符をあの時打ったの


だからあきらめて。」



「でもでもーーにはさいのうが」


「才能?そんなものないよ」


いつもそういう、



「私はそこまで絵の才能がない

私には絵の仕事は来ないし、こなせない

私は指描きの限界を感じた」


「なら液タブとかiPadで_____」


「そんなお金どこにある?

毎日毎日私は入院生活で

ママにお金を使ってもらって生活してる

そんな中、iPadがほしい?

そんなの言えない言えやしない」



「それに私はアナログが下手

ペンで描くのが下手」


「そんなことないもん

がっこうでひょうかされてたじゃん」



「こないだ、かんごしさんにまえかいたえ

みせてたじゃん!それにあたらしいえ

かいてたじゃん!


ほんとうは!


ほんとうは!


あきらめきれてないくせに!」


あのこはだまった

ずぼし!


「ごめんねもふちゃんもうこの話はやめて」



あ、


おこっちゃった、


おこらせちゃった、





「……



ひっくぅ、



ひっく、


ぅごめ゙ん゙な゙ざい゙_____」


ぼくいったよね

かんごしさんにえ、みせてたって


あのときほめられて

がめんごしじゃなくて

リアルでほめられて


いつものえがおじゃなくて

ほんもののえがおだった。


ぼくではあのこを

かえることはできなかった


あのこじしんが

かわりたいというまで

まつしかないのかな?


ぼくは

みんなのだいすきなあのこの

きげんをそこねた


「かぴちゃん、ごめん、ね」


「?かぴー?」


「へ」


「なんであやまるの?

もふちゃんいいことした」


「え」


「かぴもきになってたんだよね

またえかいてくれないかなあ」


「かぴちゃんもそう、おもってたんだ、」


「うん!でもあのこ、ママににて

がんこものだからなあ」



「がんもどき!」


「がんもどき!へへっ」


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