【探索】
まてまて、一回状況を整理しよう。
俺はあの実験室とやらにいて、扉を見てたらそこで後ろから突き飛ばされて中に入ったというわけ。
今持ってるのは、この小さいバックと黄色い服…
ってこれって…マーティが着てたの黄色いあの実験服かぁ?
シャイニングみたいな部屋でバックトゥザフューチャーの服…めちゃくちゃだな
まぁ理解力はあんなB級映画のガキたちに比べれば俺はよくやってるほうだ。
まぁ、俺にはあいつらとは違ってヤる相手がいないが…
「くっそ…誰だよマジで…」
俺はただ項垂れるしかなかった。
ここからどうすればいいのか、下手に動けばまたあの黒い人型の化け物に見つかる。
とにかく出口を探そう、この地獄から脱出するためにも
ピッ
「えーーっと1日目、知らないところに放り出された。ここには得体のしれない黒い化け物がいるし、マジで死にかけです。ここは一体どこなんだ?」
ピッ
「テストはこのくらいでいいかな」
周りを映してみて、何か手掛かりがないか探してみる。
こういった奴は、たまに別の
ビデオカメラでまわりを撮影してみるも何も見つけられなかった。
「とりあえず、撮影しながら探索するとするか…」
俺は立ち上がり黄色い実験服を着てみる。すこしでもカモフラージュになればいいが
しかしこの感じ、さっきも走ってみてわかったが、同じ情景…つまり乱雑に配置された黄色い壁と、同じパターンの四角い蛍光灯の配置。まだまだ、走り回れるほどかなり広い。それが下手に動くと気づいたら同じところを回って結局出口の扉にたどり着けない…
しかし、いくら広いとはいえいつか端があるはずだ。
そう願うしかない。
とりあえず来た方向からにげるか。まだあの化け物…ハウラーとかに見つかんねーようにな…
ハウラーは、ハウリング…あいつの声は耳が痛くなるからな
嫌なあいつにはいい名前だ。
と、誰もいないのにそうビデオを撮りながら誰もいない部屋?に話しかける
途端に一人でいるという事実を突きつけられる。
寂しい…正直、あの部屋でも変わらないが、ここは本当に誰もいない。
気配すら感じない。
しかし、絶対誰かいるはずだ。そう信じて…また願うしかないが
…
壁に沿って歩きながら、前後左右を警戒して進む。
ビデオカメラを手に巻いて、この機械に映像として収めながら
何かないか逐一確認して進む。
息を潜め、壁をのぞき込み安全を確認する。
この作業の繰り返し、大丈夫だ。
あの会社のクソみたいな資料に比べればまだ楽しいほうだ。
ジーーッと永遠に鳴りやまないハム音を耳にしながら、この地獄を進む。
何もない、誰もいない。あるのは…もう説明しなくてもわかるよ…
頭がもうおかしくなりそうだった。
途中で聞こえる、物音が多くなっていく。
目のまえには黒い何かが一瞬だけ映る。
そのたび、俺は足を止めて周りを右左二、三回確認する。
幻聴か?幻覚か?
頭が痛い。
朝から歩き出して、この地獄へ放り込まれてどのくらいたっただろうか。
足はもう、動かなりそうだった。
つらい
つらいつらい。いやだいやだ死ぬのだけはいやだいやだ
いやッいやッ!
いや…
「あれ…!」
扉だ、あれ鉄製の扉だろうか
ようやく、見つけた…ここまで長かった…よし、これで終われる
終われ…
ぉおお゛おお゛ん
ッ!いる…やつがいる…ハウラーが!
ぉお゛ぉおお゛ん
息を潜めるというより息を止める。
クソ!なんであと少しなのに!こういう時に限ってついてないんだよ!
奴がゆっくりゆっくりのっそりこちらへ歩いてくる。
どうやら見た感じまだ、見つかってないようだ。
何も音をたてないように、ただひっそりと壁と同化する。
俺は壁だ!俺は壁だ!俺は壁だ!俺は壁だ!俺は壁だ!そう念じてみて。
目のまえまでくる、あれこっちを見てるだと?なんだよ!はやくいけって。
ハウラーは身を乗り出し、顔らしき四角い部分でじっくりと凝視する。
急に奴の腕が、刃物のように鋭くなる!俺を切り刻む気か?!
ぎゅおおおおお゛おぉぉお゛ぉ゛おん!!!
咆哮と同時に、その刃物も横に振る。思わず、怖くて目を瞑ってしまう。
ここまでなのか…?!
ガリガリッガリ!ガリガリガリッ!
…
…
…
目を開けてみれば、奴はすでに居なくなっていた。
立ち上がる前に状況を確認。なんとか命拾いしたようだ。
しかし、ズボン…股らへんが少し濡れている…これは気にしないでおこう
立ち上がり、後ろにあった壁を確認する。
本当に危なかった。まるで、人を苦しめるために作られた刃物だったのか。
その跡は、壁を削っていた。まるで斧でドアを破った跡のように
「とりあえず…おさらばさせていただこうか」
そう告げたとき…
ぎゅおおおおお゛おぉぉお゛ぉおおおおんん!!
後ろから聞きたくもない声が聞こえた。
「嘘だろ!?」
俺は、また走るしかなかった。でも今の俺には、確実に安全な場所がある。
そう扉に向かってまた走り出す。今までの疲れを気にせず、足の負担をものともせず走る。今はこれしかないんだ!!
手を伸ばし、限りなく伸ばし叫ぶ
「届ぇええ!!!!」
ガシッ!
音を立て、つかんだ!
取っ手を思いっきり下に下げ、引いた!
そして中に入り、思いっきりまた扉を閉める!
周りを見て、すぐさま箱を見つけて扉の前まで持ってくる。
ドンッと部屋に響かせ、扉を塞ぐ。
ガタガタッ!
ぎゅおおおおお゛お゛ぉぉ゛おおおおん!!!
「くっうっ!ふっ!」
ダンダンッ!ダンッ!ダンッ!
ダンッ!…
…
…
…
「行っ…たか…?」
扉を強くあける衝撃は収まり、扉は完全に閉まっていた。
ようやく静かになった…が、目の前に見るのは。
「どこだ…?あの実験室じゃ…ないのか…?」
どうやら別の部屋に来てしまったようだ。あの時の実験室ではなく、多分コンクリートで出来た小さな部屋とその奥に続く廊下。奥に見えるのは別の扉だった。
一難去ってまた一難ってのはこういうことか…
「クソ!いつになったら俺はこの地獄から解放されるんだよッ!」
思いっきり地面をたたき、手を痛める。
カラッ
目のまえから音が鳴り、すぐに頭を上げる。コロコロと目の前にベージュ色の缶が転がってくる。
〈アーモンドウォーター〉
缶にはそう書かれていた
「なんだこれ…」
いかにも怪しげな缶だった。 カッシュッ
ここにある物だ。飲んだらひどいことになるかもしれない。
でも、俺の喉は限界を迎え
ゴクッゴクッゴクッ
気付いた時には、頭にかぶってた装備を外して飲んでいた、
「プッはぁぁ!」
一通り飲み終えたところで、急に頭がッ!うっ!うおっ
なんだ…この水は…‼
「うぉおおおおッ!頭がスッキリしたああっ――――――ッ」
今まであった頭の中のもやもや、そして騒音が一気に消し去った。
手の痛みも、幻聴も、幻覚も今は苦しんださっきの出来事が夢のように思えた。
まるで、朝いいタイミングで起きれたときのようだ。
口の中で、薄いアーモンドと甘い味がかすかに残っている。
「すごいな…これ」そうとしか言えなかった。
顔を上げて、目の前を見ると段ボールがあった。その中にはぎっしりとさっきの水と、小さいパンがすこし入っていた。
とても好都合。あまりにも出来すぎている。
すこし気味が悪くなるも、これを取らない理由にはならない。
アーモンドウォーターを飲みながらパンを口に詰める。
いつぶりの食料だろうか…パンに薄いアーモンドがしみこみより美味しく感じる。
一個食べ終えて、残りはアーモンドウォーターと一緒にバッグに詰め込む。
残しておこう、いつもこうやって補給ができるわけじゃないからな。
隣の箱を見ると、電池と小さな懐中電灯をいくつか見つけた
「これがあれば、だいぶ持つな…」
こいつらはポッケに入れて、電池はパンと缶の間に挟んだ。
頭の装備をまた装着する。
「…頼む終わってくれ」
廊下を歩き扉を開けるも、俺の当たり前のように願いは散った。
目のまえに見えたのは地下駐車場のような場所だった。
いつものようにハム音を流し、蛍光灯はちかちかと点滅していた。
ここから脱出するのは、まだまだかかりそうだな…
ここで諦めるのはまだ早いとはおもうが。
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