ささやかな望み、ささやかな努力

「別に世界が滅んでほしいとか悪人全員今すぐ内側から弾け飛んでほしいとかそこまで規模の大きいやつじゃなくて、ただ俺の嫌いなあいつ一人がめちゃくちゃ苦しんで死んでほしいってだけだし、だから俺もコンビニで買い物のたびに釣銭を募金したりゴミ捨ての分別ちゃんと守ってたり電車で席譲ったりって日々頑張ってんのに、そんなささやかな願いも叶えてくれないって神様本当器小さいですよね」と喫煙所で隣に座った後輩が煙を吐くのを眺めつつ、人ひとりを殺すために必要なだけの徳ってどの程度だろうと考えようとして根本的なところを間違えているような気がするけれどもそれが明確に分からないまま、俺はいつものように曖昧に相槌を打つ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る