失恋した日に異世界に飛ばされたけど、最強の魔王のおかげで何とか生き抜きます

れい

プロローグ


「ごめんなさい、ハルキくん!私好きな人がいて」


 そう言って制服姿の女の子は頭を下げて走り去っていった。


 まじか……。今回は勝算あったのになんでだよ。だけどこれで俺の戦績は10戦3勝、野球なら三割バッター、悪くないはず。

 っていうか好きな人がいるってなんだよ。好きな人いたのにあんなに話してくれてたのか。まさか好きな人、俺??……な訳ないよな。


 そう考えているハルキの頭上は灰色で今にも雨が降り出しそうだった。


「やば、早く帰らんと」


 今日傘忘れたんだった。雨が降る前に帰りたいけど失恋した後だし雨に打たれるのも悪くないかもな。

 じゃあ、歩くか。


 学校を出ると外はもう薄暗くなっていた。すぐ隣の車道では音を立てて車が走り去っていく中、ハルキの頭の中にはもう先ほどの出来事はない。


「空から可愛い女の子でも降ってきてくれないかな」


 そうぼやいた瞬間、ハルキの前方が黄色に光った。


 もしかしてこれほんとに女の子来る流れじゃね!?


 期待を胸にハルキは小走りで光の元へ向かう。

 すると、今までそこに何もなかったのに急に人影が見える。


「これがちなやつじゃん!」


 しかし叫びながら走り寄るハルキが想像していないような声が光の中から聞こえてきた。


「男はいねえかー!」

 


 


 


 


  

 

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