今現在

それから3ヶ月後。

自室のベランダに、見知らぬ木箱が置かれていた。

小さく、黒く、蓋は釘で打ち付けられている。


一応警察に連絡し、回収されたものの、彼らは「中は空でした」と言った。


でも、俺には分かる。

夜になると、俺の部屋の片隅に、何かが立っているのが分かる。

それは、右手の親指をまっすぐに立てて、こちらをじっと見ている。


俺の名前を、誰かが"下向き"に曲げるような声で呼ぶんだ。


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