文豪と胡蝶の夢
柳 恵子
第1話
俺の名前は、佐川 充。
官能小説を書いている。これでも一応小説家なのだかが、日頃から文学の方の小説を書きたいと思いつつ生活の為に官能小説を書きまくってる。
それでも、書いてくれといわれるだけでも、この世界では恵まれているいる方なのだ。
なんでもZEROから作品
(絵画、作詞、作曲、小説、俳句、脚本、詩、
ポエム、陶芸、華道、茶道、などエトセトラ。)作品作りは努力と忍耐とセンスと健康な身体だと思っている。
たかが官能小説だと思っている下々のモノに言いたい、書いているこっち側のなかでも書く事で精神を病んでしまう者や身体を酷使して病気になったり、自ら命を終わらせてしまう者もいるということを知って貰いたい。
その点、俺の精神と身体この2つは鋼なみなのだ。
明日まで書き上げ無ければいけない作品
(嫌、作品とは言えないなあ笑)が
1つあるが、この季節と気温で眠りが足りてない。
隣りに寝ている彼女の顔を見て思うのだが本物の
文学作品が書きたいが毎日の生活を維持する為の、
しょうが無しな文章には飽きたし、彼女が何気に言った言葉がリプレイする。
「充の、文学作品を読んでみたいなあ。」の言葉に感化されているのか、わからないが今のままではいけない気がする。
そんな事を思いながら眠気に勝てず微睡む。
音がする、徐々に賑やかな祭囃子がきこえ初め
自分は、何故か祭りの場所にいる。沢山の人達が浴衣を着て、屋台に群がっており、綿あめやかき氷を持って歩いている。それを自分は只々眺めていた。
すると「ジリリリリン!ジリリリリン!」とけたたましく鳴るベルの音の先に賑やかな電光色に彩られた見世物小屋に吸い寄せられた。俺は、その見世物小屋を無性に見物したい気分になっていた。山高帽子を被って丸眼鏡の男がマイクを使って呼び込みをしている。
横の入り口から他の人達となだれ込むように入っていった。中には編みかごに入った二股の頭を持った白蛇や白い蜥蜴、白いドブネズミ、白い鴉が別々の籠に入れられていた。
それから、空いている席に座ると舞台の上にカーテンの裏側から、あの山高帽子を被った男が出てきて
アナウンスする。
「蛇を頭から飲み込む蛇女〜どうぞ〜!」
カーテンが開かれると女の首に太い蛇が巻かれている。それを、おもむろに掴んで口の中へ手繰りながら入れていく。
「うおー!なんか凄いぞぉ!」と思っていると先程から生臭い匂いが漂って来て気持ちが悪くなって、
ガクっとそこへ跪いて(クルクルと目が回る)
目を瞑って、その場を凌ぎたかった。
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