第13話 同居人の対抗心?

「あ〜ムカつく!!」

「――だからってなんでいつも脱ぐんだ?」


 俺を自分の部屋に引っ張って強引に入れた真琴は、部屋に入るなり自分の服を勢いよく脱ぎだした。


 普通なら慌てふためくところだがいつものことに過ぎない。学校ではスポーツ女子として人気が高く、性格もサバサバしてる真琴だが家では全然違ったりする。


 正直に言えば、俺が見てる時だけ露出魔と化す女子だ。


「うるさい! いいだろ、別に」

「お前が良くても俺が困るんだよ」

「孝純ごときがよく言うよ」


 そもそも何に対して腹を立てているのか。


 ちなみに俺の黒歴史が満載な部屋には一切立ち入らない真琴だが、俺を自分の部屋に引きずり込んで主導権を握るのは問題ないらしく、寝る寸前までいつも無意味に真琴の部屋にいさせられることが多い。


 さらに言えば、俺に対して全く意識してないせいかすぐに下着姿になるクセがある。最初は俺も変に意識していたが、下着姿が真琴のデフォルトと分かってからは何の感情もわかなくなった。


 ……とはいえ、学校では胸の膨らみを無理やり押さえつけている奴が家では全てを露わにする――ってのはどういう狙いがあるのか。


 あまりにも無防備だし、谷間とか平気で見せつけてくるのもわざとすぎる。普段冷静に振る舞う俺でもあからさまな胸アピールには目がいってしまうぞ。


「まぁた見てるな?」

「仕方ないだろ。デカいもんに目がいくんだよ」


 お世辞でも何でもなく、真琴のおっぱいはかなり大きい。何でか学校で隠しているくせに家ではオープンだから余計にそう思う。


「ん〜そっかそっか。悪い気はしない! むしろもっと……」

「ん?」


 俺の視線がどうしてもそこにいくのにもかかわらず、真琴の奴もわざと顔に近づけてくるのだから絶対にからかわれている。


 仮に俺の理性がどうにかなったらどういう反応を見せるのか。


「で、腹が立つ原因は?」

「ミア」

「西大路さんが何かしたか?」


 西大路さんに真っ先に親切にして俺の家を教えたくせに実は敵認定してるとか、それはあまりに酷な話じゃないのか?


「孝純とはまだ数日とちょっとしか会ってないくせに、家に来るし同クラの女子たち連れて協力してもらってるし、何か本当、ムカつく!」


 イケメン女子たちを引き連れて、というか途中で帰っていたけど俺の家に上がり込んできたのは確かなんだよな。


 この家に真琴が一緒にいるってことを知るのは西大路さんと先生と……いや、下手するとクラスの女子はとっくに知っているのに言わないだけかもしれない。


 そんな状況であの女子たちが遠慮なく家の中を素通りしたわけだから、同居してる真琴からしたら面白くなかったんだろうな。


「ムカついてるのは西大路さんだけか?」

「孝純にもムカついてる」

「気軽に家に上げたから?」

「全部だ、全部!!」


 結局怒りの矛先は俺じゃないかよ。だからって下着姿で俺を挑発するのはいい加減にしてほしい。


「どうすれば怒りが収まるんだ?」

「私が訊きたいことに対して正直に答えてくれたら許す」


 俺が許される方向になってるんだが。


「具体的には?」

「……孝純はミアのことが好きなのか?」

「――ん?」

「もしミアがオーケーしたら、付き合うのか? 付き合ったらすぐに体を求める野獣になっちゃうんだろ? きーかーせーろー!!」


 どこから西大路さんと俺が交際する話に進んだ?


 たかが家に二回ほど上げただけで、好きとか嫌いとかそんな気持ちが芽生えるわけないだろ。


「うーん……? いきなりその答えを求めるのは訳が分からないぞ」

「はっきりしろー!」


 好き嫌いは別として、西大路さんはちょっと未知すぎるからな。たどたどしい日本語が果たして本物なのかも判断出来ていないし。


「西大路さんのことはよく分からない。以上!」

「何だよーふざけんなバカ孝純! じゃあ、私のことは好きか?」

「お前それは……」

「正直に言え! 孝純は私のことが――?」

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