『リアって不思議じゃね?』
「リアって能力もオーラ技術もかなり強いけど、鍛えてるところとか見たことないよね、【大天使】だってずっと能力だと思ってたくらいに自分のこと話したがらないし」
リアが買い出しに行っている間に気になっていることを聞いてみた。
彼女の能力、【森羅万象】も成り行きで知っただけだ。リアについて、わからないことのほうが多い。
「確かに…誕生日だって何度もお願いしてやっと教えてくれましたからね、あまり触れて欲しくないんでしょうか?」
わからない。
そうとしか言えないほど、リアは自分のことを話さないのだ。
何か大きな事情があるのか、単に自分語りを好まない性格なのか…
余談だが、彼女の身長はおおよそ159センチだ。
僕の身長が165センチなので、自分から見たリアの身長を推察したのである。
「本人に聞くのが早いんだろうけど、まずはリアについて知ってることを整理してみよう」
「まず、スイーツが好きですね、お店の前を通ると物欲しげに眺めています」
…
知らなかった。
女性の情報網、侮るべからず。
そこから10分ほど、リアについて語り合ってみた。
「うーん、誕生日は一月二十六日、スイーツが好きで星を眺めるのも好き、過去の経験から男性に苦手意識を持ってて、朝に壊滅的なほど弱い、家事万能の身内特攻型母性の塊・・・隠す必要のない、普通の女の子だと思うんだけどなぁ」
「ですね、これ以上詮索するのも迷惑になりますし、このお話はここまでにしておきましょう?」
その後1時間ほどでリアが買い出しから帰ってきた。
夕食を作る彼女の背中を見つめながら、僕は考える。
(いつの日か、リアから話してくれるときがくるのかな・・たとえ人様に言えないような黒いことでも、リアを手放すなんてことありえないし、一緒に背負って支えてあげたいな)
一つ、思い出したことがある。
彼女はたしかに、星を眺めることが好きなのだが、時折悲しいような、儚げな瞳で夜空に輝く星々を眺めているときがあった。
きっとそこにリアを深く理解するためのルーツがあるのだと僕は推察している。
リアについて、謎は深まるばかりであった。
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