逢魔倶楽部ーえくらんー
@orutaimurou
分別不可の百鬼夜行
プロローグ
プロローグ
ハナっからで悪いんだけど、こっちは手が離せない。
なんたって今は大捕り物の真っ最中。
暗澹たる夜更けの最中、私は百鬼夜行と大立ち回りだ。
ごらんよ、人頭ペットボトル尾の大怪獣、打ち捨てられたビニール傘の一本だたら、絆が千切れて割れたバーチャルアイドルや地下アイドルのアクリルキーホルダー一個分隊、その他ゴミが寄り集まって出来た大入道、古新聞の一反木綿、電子レンジの中から這い出たひょっとこ——。
月は曇天に隠れて、なのに星は赤々と瞬き、夜半の狂乱に犬は吠えまくって野次を飛ばし、ビルの壁面に配置された大型ディスプレイは砂嵐、野外スピーカーはノイズのハウリング。
参ったねこりゃ。千切っては投げ千切っては投げても、治まる気配が見えやしない。
てんやわんやしているうちに、私達は化生のものどもに囲まれてしまった。ゴミ箱の中に放り込まれた気分。
え? イキナリまくし立てられても困るって?
此処はどこ?
お前はだれ?
百鬼夜行?
何がどうなっているのか?
それはごもっとも。
ひょっとしたら、今宵で私も年貢の納め時かもしれない。
誰かに自分のことを覚えてもらうというのも、悪いモンじゃないからね。
それじゃあ、第一話に続く、ということで。
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