第3話

今日は調理実習がある。僕はめちゃくちゃ楽しみにしていたのだ。なぜなら、なんと幸運にも、花芽さんと同じ班になれたのだ。そして、今日作るのはシチューだ。「りょうすけくんって、料理できるの?」「母の日や暇な時に作るから、少しはできるかな」「へー、料理とかするんだ」「花芽さんは料理するの?」「私はお菓子作ることぐらいしかしないから、ちょっと不安かなー」「じゃあ、一緒に具材切ろうよ」「おっけー、頼んだよ」僕はニンジンを切り、花芽さんはタマネギを切ることにした。「タマネギ、めっちゃ目に染みるんだけどー」「花芽さん涙出てるよ」「ちょっと見ないでー」涙が透き通っていて、宝石のように見える。「というか、りょうすけくんニンジンの形、変じゃない?」「星型に切ってみたんだ」「星…」「どうしたの?」「私星が好きなんだよね。特に北極星が」「それはどうして?」「北極星はいつも光り輝いていて、私の未来を示してくれているような気がするんだ。辛いことがあったり、不安なことがあったりしても、北極星を見ると少し楽になれる気がするの」花芽さんの話している様子はまるで星のように見えた。でも少し、雲がかかっているようにも思えた。「わー美味しそー」「うまくできたね、早速食べよ!」「美味しい!」花芽さんの頬張る顔が可愛くて、つい恍惚としてしまう。「りょうすけくんも、早く食べなよ」「ごめん、ごめん、ぼーっとしてた」「うま!濃厚でめっちゃ美味しい」その後、シチューを食べ切って、満腹になったことで、お昼ご飯を食べられない二人であった。

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