第27話 洞窟発見! でも本当にここ?
俺たちは、洞窟の前まで来た。
おそらく、ここが光砂洞窟だろう。
......だと思うが、不安だ。
これは、モカの試練でもある。
俺だけの問題、ではないのだ。
別の洞窟なら、入っても徒労だし。
「ここだよな?」
俺が不安げに言うと、モカはメモ帳を開いて言った。
「はい、ここです。......きっと」
モカも、自信がないのだろう。
でも洞窟なんてものは、その入り口らしきものは、ここしか見当たらない。
「とりあえず、ここにしてみようか」
でも、モカは不安そうだ。
「もしここじゃなくてもさ、その時はしょうがない。ミリネラさんも許してくれるよ」
「そうですね」
モカはそれでも、不安そうだ。
でも、これはただの試練だ。失敗したところで問題はない。
......と思うのだが、モカはこの試練に何か思うところがあるのだろうか。
「これって、失敗したら何かあるの?」
俺がそう聞くと、モカは答えた。
「はい、失敗したら、ではないんですけど。私がこの試練に成功したら、ミリネラさんに教えてもらえるんです」
何を、だろう。俺がそう思うのと同時に、モカは言う。
「私の、目的です。でも、すみません。まだ言えません」
「あ、うん」
モカにも事情がある。言いたいときに言えばいい。
「戻ったら、戻れたら、ちゃん言いますね」
戻るってのは、ミリネラの家に戻った後、という意味だろう。
俺は単純に、そう思った。
そういえば、俺がスキルを使えばいいんじゃ?
俺がスキルで、ここが光砂洞窟かどうか、見極めればいい。
そう決意すると、すぐに時が止まり、選択肢が現れる。
「このスキルを取得しますか?
→場所詠み」
「場所詠み」
俺が宣言すると、目の前の洞窟から文字が浮かび上がってくる。
光砂洞窟、入り口。と。
間違いなさそうだ。
「ここで間違いないよ」
「え? なんでわかるんですか?」
モカは不思議そうな顔をしている。
そういえば、このスキル。チートスキルトレジャーのことを、モカには言ってなかったな。
隠すもんでもないし、言っておこう。
「えーと、これは」
「あっ、それが心眼ですね! すごい!」
「あ、あー」
モカが気づきましたとばかりに胸を張る。
まぁ、後で話せば、いいかな。
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