えっ!異世界から通勤〜私カノンとショウブ

京極道真  

第1話 出会いは突然。ショウブ現れる。

いつもの通勤電車。最近疲れ気味の私は最前列に並んで電車を待っていた。

朝のざわざわにホームアナウンス。

「前の駅でドア点検のため少し、電車が遅れています。お急ぎのところ恐れ入りますが、

今しばらく、お待ちください。」

「7:58か。」私は電光掲示板を見る。

「次の電車は8:02。」ギリギリかあ。

とにかく9時のせめて2分前までには会社へ

着きたい。

こう見えて入社7年目。

私は、一度も遅刻をしたことがない。

これは私の唯一の自慢だし、自信になっている。

まあ、平たく言うと単なる健康優良児。

小さい頃からだ。

が、女子でカラダが丈夫ってどういうことよ。

自分で、自分にツッコミたくなる。

設定的に可愛いくない。

学生の時もそうだった。

色白で文科系のか弱い、可憐な女子達に

男子たちは、いつもころりとだまされる。

「はあーあ。またか。」って感じでいつも、

いいなと思った男子達は、そのか弱い仮面を

かぶったトンビのような女子達が見事に

さらって行く。

もっと言わせてもなら、トンビじゃなくて鷹にすきな男子をさらわれるならまだしも。

トンビ。トンビだぞ。

ヒールの足のつま先がトントントンと

苛立つポーズになっている。

横にいた駅員さんと目が合い。

すかさず駅員さんは「電車が遅れていまして申し訳ございません。今しばらくお待ちください。」

私の方を見をチラリと見ながらアナウンスする。

しまったあー。足のつま先のトントンが、

電車が来ないのイライラだと思われた?

『それ、違います。』と言いたかった。

勘違いさせてごめんなさい。駅員さん。

そっと目をそらし、心の中で謝る私。

はあー、

朝から何やってるんだろう。わ・た・し。

この勘違いさせる性格は昔っからかわらない。くそーっと思ってもしかたない。

『世の中が、私に合わせなさい。ほほほほ。』いつか読んだ少女漫画のセリフ。

言ってみたいよと脳内であれこれ考えているうちに再びアナウンス。

「大変お待たせしました。3番ホーム。

電車が参ります。」

さっきの駅員さんのドヤ顔でのアナウンス。「8:00か。」何とか遅刻しないで良さそう。

『お仕事、ご苦労様です。』

心の中で、お辞儀をしながら、いつもの3号車4番車両に乗りこむ。

案の定、電車内は遅延のため、かなりの混雑。

その中で一カ所だけ空間が空いている席があった。

3列シート。「ラッキー。」座れる。

昨日も遅くまで起きてたし、若い子?の私でも座りたい。

空いてる席に横のおじさんより先にと思ったが、出遅れた。

おじさんが先に座ろうとした。

「ボヨーン。」えっ?

何かに弾かれて席に座れない。

「?」

おじさんは今度はカバンを席に投げ込もうとするも、カバンも弾かれる。

3列シーとに、よれっとしたスーツの若い男子が、うなだれて1人で座っている。

朝からひどい疲れようだ。

私もたいがい、疲れているけど彼はかなり重度のようだ。

相当なブラックで働いているのだろう。

他人だが同情するよ。

彼は深く寝込んだまま。

おじさんじゃないけど私も疲れてる。

座りたい!よし行くぞ。

気合を入れて、

私はおじさんの横をすり抜けた。

「ビリビリビリー」えっ?

今の何?何の音?

何かにあたった気がした。

まあいいか。

「ドスン。」

私は席に深く座った。

次の瞬間。

「誰だ!俺様の睡眠の邪魔をする奴は。

俺様の結界を破ったのはお前か!」

寝ていたスーツの若い男子が私の方を見て怒鳴る。

コワイよりイケメンすぎて。

顔に見惚れてしまう。

「なんてイケメン・・・」

思わず口に出してしまった。

















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