第4話 マンガの模写

子供の頃、マンガ作品に魅せられて、

俺もこんな作品描きたい、と思った時に、

まずやってみたのは、『模写』でした。


お気に入りのキャラクターを真似て、描いてみた。

例えば、江口 寿史の女の子。

最初は完コピこそ正義と思って挑戦するが、

プロの漫画家さんのような画力があるはずもなく、

ちょっと違う絵が出来上がる。

(ただ、江口先生は、連載を通して、

ドンドン画力が上がっていくのがわかって、面白かった。

初期の頃の、少女マンガっぽい女の子が模写の最初だった。)


別の日に、また別のキャラクターを描いてみる。

例えば、さべ あのまの女の子。

やはり完コピとはいかず、

ちょっと違う絵が出来上がる。


次は、吉田 秋生。とり みき。大友 克洋。

やはり、真似しきれず、ちょっと違う絵が出来上がる。


そうこうしているうちに、画風が固まって来た。

出来上がりに共通点が生まれてくる。

自分で描きやすいと思うスタイル。

自分が美しいと思うスタイル。

私のオリジナルの画風が。





これと同じことがAIにできるのだろうか。

ワザと精度を下げて、お手本とは異なるモノを覚えさせる。

その学習を重ねて、異なるモノの精度を高めていく。

結果、オリジナルのスタイルが生まれる。


ワザと精度を下げる、

方向性や程度は、AIオペレーターの腕の見せ所。

それとも事前に設定で対応できるのか。


そうしてできたAIのイラスト作品には、

著作権を与えてもいいのだろうか?


ああして長年培って来た私の作品に著作権を主張するのなら、

AIにも主張する権利があるのか。


法令上、人間にしか権利はないと言うが、

心情的に、権利がないのはちょっと違うと思う。

そこに至るプロセスは同じなのだから、と思ってしまう。

少なくとも、AIオペレーターには主張する資格があるか?





では、小説の場合はどうなんだ?

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