貝胡村とカイコ様に関しての記録
多摩るか
貝胡村
俺の母親だけは、しっかりしていると思い込んでいた。
けど、まさかこんなことがおきていたなんて。
*
昔から、祖父母の家が嫌いだった。
広い玄関の壁に掛けられたカレンダーは、数年前の六月の日付。
広い台所の机の上には、様々な食べ物や調味料が散乱している。
そんな祖父母の家の様子を思い出しながら、車で山道を登っていく。
太陽が出ていないせいか、いつも薄暗かったこの道がさらに暗く、恐ろしく見えた。
山道になってから一時間半程経ち、ようやく祖父母の家が見えてきた。
その家は小さな集落の入り口付近に建っている。
人口はおおよそ五十人。
住民は皆家族のようなものらしい。
俺がこの家に来るときも必ずみんなが、おやつやら、山でとれた果物で作ったジュースやらを持ってきてくれていたから、相当仲が良いのだろうと思う。
苔だらけの木に「ようこそ!
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