「風はまた吹く きっとね」


少しずつ自信がついていた

私でもできるんだと

人を信じてみようと思えるようになった

私でも認めてもらえるんだと


「こんな私なんか」が「こんな私でも」に

「何もできない」が「何かできるかも」に


私にも羽があると思っていた日

風に乗って翔べると思ってた日


でもそんな日は長続きしなかった






平気な顔をしていた

きっと一時的だろうと

平気な顔をしようとしていた

きっと通りすがりの気まぐれだろうと


「こんな私なんか」が「こんな私になんで?」に

「何もしてないのに」が「何が悪かったのか」に


私にも羽があると思っていたけれど

風は吹かず 羽はむしり取られた日


それで私はまた地べたでうずくまっていた



でもね。



ねえ どうしたの

心配してくれる声が聞こえた

ねえ 大丈夫だよ

励ましてくれる声が聞こえた


少しでも まだ飛んでいいと

少しでも 翔ぶ姿が見たいと

そんな声が 風に乗って届く

縛られなくていいと風が吹く


だからね。

私はもう一度飛ぼうと思ったんだ




つまづいちゃった君へ

転んじゃった君へ

泣いちゃった君へ

フラれちゃった君へ


大丈夫だよ。

君にもきっと風が吹く

君にもきっと翼がある

君にはもっと大きな空がある


だからね。

「もう二度と翔べない」とか思わないで

君もまた翔べる時が来るよ



きっとね。







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