閑話 《スターチス》の名
翌日。
ルーカスは休憩時間に、図書館から借りて来た、図書館の中でも一番古い王国の歴史書の写しを読み漁っていた。
もちろん、《スターチス村》と言う物が存在するかどうかを調べる為だ。
そして記されている所によると、其処には驚くべき事が書かれていた。
『《スターチス》の名を
『スターチスは王家との約束の花であり、建国に深く関わった者に贈られた称号である』
貴族の子女が学ぶ、近年の歴史書には書いていない史実だった。
明らかに重要な事柄であるはずなのに、近年の歴史書から消されている事を考えると、其処には王家か、それに近しい者の意思が介在しているといっても良いだろう。
ルーカスは古めかしい本を閉じると、ふう、と小さく息を吐いた。
(しかし、スターチスを名乗る者が居る以上、更に調べる必要がありそうだ)
それが“本物”なら構わない。
しかしその名を騙る“偽物”であるのなら、王家に報告する必要があるだろう。
規則を重んじる彼はそう考えて、一旦それ以上の調査を諦めると、午後の巡回の準備を始めるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます