設定資料※完結後追記
設定資料「獄女蛇」
■獄女蛇(ごくじょへび)
・分類爬:虫綱 有鱗目 クサリヘビ科
・学名:Siren viper
■外見的特徴
・全長:平均 2.5〜3.2m、最大個体で 3.8m。
・体幅:成体の胴径は成人男性の前腕ほど(約8〜10cm)。
・体色:濃い黒緑を基調に、濡れたような艶を帯びる。鱗には微細な凹凸があり、光の角度によって青紫や赤銅色がちらつく。
・模様:背面には波打つ縞模様があり、弱い光源下では人髪の乱れのように見えることがある。
・頭部:三角形に近い幅広の頭。眼は深い琥珀色で、瞳孔は縦長。
・音声嚢(おんせいのう):下顎付近から喉にかけて球状に膨らむ器官。最大で成人女性の拳大になり、急激に空気を送り込むことで擦れ声や呻き声に酷似した音を発する。
■生態・行動
・生息域:山園村周辺の渓谷、洞穴、湿地帯。昼は洞窟や地中に潜み、夜間に活動する。
・食性:主にネズミや鳥類などの小動物を捕食するが、神経毒による行動誘導で人間の幼児を捕食対象にすることもある。
・捕食方法:毒で行動を制御 → 子供を自身のもとへ誘導 → 顎を外して丸呑み → 胃酸と特殊分泌液で骨まで溶解。
・繁殖:卵胎生。
・寿命:推定15〜18年。
■毒性
・成分:神経毒・幻覚作用・行動誘導作用を併せ持つ複合毒。
・作用機序:
1. 神経系侵食:咬傷部から血流へ侵入し、中枢神経に到達。
2. 感覚変調:特定音源(雌の声や呻き声の周波数帯)への感受性が異常に高まる。
3. 記憶混濁:時間感覚や行動記憶が断片化し、行動目的を喪失。
4. 行動誘導:「音声嚢」から発せられる音を聞くと、強制的な徘徊行動や対象運搬行動を取る。
・致死性:毒そのものは即死性が低いが、脱水・低栄養・外傷など二次的要因で死亡するケースもある。
■音声嚢の特徴
・音の種類:すすり泣き、喘ぎ声、低く引きずるような呻き声。
・周波数帯:200〜300Hzが主体で、人間女性の声域に近い。
・心理効果:未感染者には強い不安や嫌悪感を与えるが、感染者は逆に音源へ引き寄せられる。
■伝承との関係
・「獄女」伝承:祟りで気が狂い、子供が神隠しに遭うという言い伝えは、この蛇の毒による症状と子供の失踪が原因とされる。
・「神隠し」:骨まで溶解され遺体が残らないため、村では「神が連れ去った」と説明されてきた。
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