Black Fang(ブラックファング)

AK

第1話 変態科学者

神崎未来は、ごく普通の若い女性だった。

大学を卒業し、夢を抱いて入社したものの、仕事は激務。

そして何より困ったのは、直属の上司・高橋課長の超ヤバいセクハラだった。


ある日のオフィス。未来は遅くまで資料整理に追われていた。


ニヤニヤとした高橋課長が、未来の背後に忍び寄る。


「未来ちゃん、こっちおいでよ。お疲れ様の意味も込めてな」


未来は振り返り、「は?」と呆れ顔。


その瞬間、高橋が未来のおしりを「ペチン!」と叩いた。


「な、なにすんのよ、この変態!」


さらに高橋は未来の胸をムギュッと揉みながら言った。


「こっちも揉んであげるよ、サービスだ!」


未来は目を大きく見開き、即座に振り向いて強烈なビンタをお見舞いする。


「てめぇ、調子に乗んな!バカ!」


高橋は顔を押さえ、「うわっ、未来ちゃん、痛いって!俺、変態だけど女子にビンタは効くんだな!」と悶絶。


未来は腕を組みながら鼻で笑い、言い放った。


「これくらいで懲りなきゃ、もっと痛い目に遭うわよ」


それから毎日、未来はこの変態上司とギリギリの攻防戦を繰り返すことになった。


やがて精神的に限界を感じた未来は会社を辞め、転職活動を始めるが、なかなか決まらず、毎日ダラダラと過ごしていた。


ある夜、ジャージ姿でコンビニに向かい、唐揚げ弁当やお菓子、パン、ラーメンを大量に買い込む未来。

彼女はスレンダーでいくら食べても太らず、肌荒れもしない体質だった。


レジを済ませ外に出ると、前方に男女のカップルがいた。


「私の前でイチャイチャすんなよ……」と腹を立てていると、彼らの会話が耳に入る。


「最近、若い男女が次々と行方不明になってるらしいよ」


「怖い話だな……」


未来は何か胸騒ぎを覚えながらも、自宅へと急ぐ。


しかし、突然、未来は道端で意識を失った。


神崎未来が意識を取り戻したとき、まず感じたのは、自分の体の自由が利かないことだった。


「……ん、ぅ……っ!? なに……?」


目を開けると、頭上には無機質な蛍光灯。その光が金属の壁に反射して、不気味に歪んでいる。手首と足首には冷たいベルト状の拘束具。座らされた椅子は、まるで医療施設にある手術台のようだった。


呼吸が乱れる。


「誰か……! 助けて……っ!」


どこかで扉が開く電子音。白衣を着た中年の男が、ゆっくりと歩いてくる。髪は乱れ、目は血走っていたが、笑顔だけが妙に整っている。


「ようこそ。目覚めてくれてうれしいですよ、神崎未来さん」


「……な、何なのここ!? あなた誰よ!」


男は、未来の問いには答えず、モニターの前に立って、リモコンのような装置を操作し始める。モニターには脳波や体温、筋肉の反応など、生体データがリアルタイムで表示されていた。


「私は、科学者です。この国の未来のために尽くしている、誠実な研究者です。ええ、あなたのような“素材”を見つけるため、長い年月をかけましたよ」


「……は?」


「あなたは素晴らしい遺伝的特性を持っている。これは偶然ではない。国家の未来のために、強い遺伝子を残す。それが私の研究です」


未来の顔から血の気が引く。


「何言って……何なのよ、これ……!」


そのとき、隣にもう一脚、同じ椅子に拘束された女性が運ばれてきた。未来と同じように手足を固定され、口にはサイレンサーが装着されている。目には恐怖の色が浮かび、全身が小刻みに震えていた。


「この女性は、今日が非常に重要な日なのです。体の状態も、すべて理想的。これから“最初の交配試験”を始めます」


奥から、レールに乗せられたもう一台の椅子が音を立てて近づいてきた。そこには、若い男性が同じように拘束されていた。目は虚ろで、無表情だったが、明らかに抵抗の痕跡が顔に残っていた。


椅子に拘束されたままの神崎未来は、どうしても目を背けることができなかった。

自分の隣の椅子に固定された女性。彼女はまだ若く、未来と同じくらいの年齢だろう。

必死に目で「助けて」と訴えていた。


未来が叫ぶ。


「やめろ! 彼女に何をするつもりなのよ!」


だが白衣の男、科学者は微笑を絶やさず、まるで日常会話でもするような軽さで応えた。


「この国は長らく“無関心”という病に侵されています。誰も気づかない、誰も助けない。あなたも今日、それを学ぶことになるでしょう」


男が操作盤に指を走らせると、レールの奥から、次々に拘束された男性たちが運ばれてくる。

顔立ちは皆、はっきりとしていて、一人は大学教授、もう一人はスポーツ選手……その名をニュースで聞いたことがある者もいた。


科学者が語る。


「彼らは、選び抜かれた“種”です。知性、体力、社会的地位、すべてを兼ね備えた優秀な遺伝子。

この女性は、極めて理想的な“受け皿”であり、多遺伝子交配の実験には最適なのです」


未来は意味を悟り、血の気が引いた。


「……実験って……まさか……!」


科学者は淡々と続けた。


「正確に言えば、“排卵に合わせた人工的多重交配試験”です。

単一の遺伝子では足りない。現代人の知性や感性は鈍化している。だからこそ、同時に複数の遺伝子を融合させ、より高い確率で“突出した子”を作る必要がある」


未来は椅子の上で暴れようとするが、頑丈な拘束具が微動だにしない。


目の前の女性の椅子の周囲には、奇妙な医療機器が配置されていた。まるで感情の変化や脳波をリアルタイムに記録するかのような構造。

科学者は、手元のタブレットに表示される数値を見て満足げにうなずいた。


そして、低くつぶやく。


「快楽と恐怖の同時刺激。これは、人間の生殖本能を最大化する鍵となる。私の理論が正しければ……今日、新しい時代が始まる」


男性たちは無表情だが、どこか意識が曇っているように見えた。薬物か、洗脳か――いずれにせよ、自我を保っているようには見えなかった。


未来は必死に叫ぶ。


「そんなの実験じゃない……! ただの……ただの狂気だ……!」


しかし科学者は、静かに言った。


「それでも、世界を救う“正義”なのです。あなたは、まだ知らない。人類がどれほど崖っぷちに立たされているかを」


その瞬間、目の前の女性が、わずかに声にならない叫びを上げた。

彼女の身体に、機械が冷たい金属の触手のようなものを伸ばし、生体反応の数値が跳ね上がる。


未来は息を呑む。悲鳴を上げることもできなかった。


「やめて……お願い……」


自分が今、地獄の中にいることを――未来は、理解し始めていた。


目の前で男性と女性が一つになっていた。

というよりは「ならされていた」と言うが方が正しいだろう。


女性は必死に抵抗するも、椅子が自動で前後に動くことによって、苦しみながらもその声には喘ぎ声が混ざっていた。


「さぁそろそろのようですね?」

科学者が言う。


「そろそろ?」


「そうです。真の意味でこの男女が一つになる瞬間です。」


そう科学者が言ったあと、拘束されている男の身体に痙攣が走った。


その瞬間に女性は何か熱いものが身体の中に流れて来ることを感じたのか、目を大きく開き絶望の表情を浮かべた。


女性の股から何かが垂れているのが未来の目に映った。


「嘘でしょ?こんな酷いこと」

未来は思わず声が漏れた。


「酷い?おかしなことを言いますね。これはこの国の未来を救うために必要なことですよ!

さぁ休んでる暇はありません。次の男性が控えています。」


科学者は淡々と機械を操作し始めた。二人目の男性を乗せた椅子が女性の前へと近づき、事は行われた。


それからどのくらいの時間が経っただろう?


拘束された女性は10人の男性の相手をしていた。


女性はぐったりと朦朧とした状態となっていた。


「素晴らしい!!あとは優秀な遺伝子が結びつくのを待つだけです!」


科学者は女性を椅子から解放し、どこかへ連れて行った。


未来はなんとかして逃げ出す方法を考えた。

あの男が戻って来る前に、、、


その時、ガチャンと音が鳴り響いた。


目の前のレールが動き出し、未来の前に男性を乗せた椅子が現れた。


「嘘でしょ!?」


「なんとかして逃げないと」


「諦めも時には大事ですよ!神崎さん!」


また、科学者が姿を現した!


「次はあなたの番です」


未来の上から人間の手を模したアームが降りてきた。


「やめて!」


アームは一瞬にして、未来の服を引き裂いた。


曝け出される胸、そして何よりも大切なところ


「ほー。お胸の方は少し残念ですね。しかし、このお尻の大きさは素晴らしいですよ。いい子が産めますね!」


「黙れ!この変態!」


未来は科学者を罵倒するが、科学者は不敵な笑みを浮かべ未来に言った。


「威勢のいい女性は好きですよ!

けど、時には女の子らしい振る舞いをしないと。

あなたの綺麗なここを見ると、まだ誰とも経験したことがないようだ。」


未来はとても屈辱的だった。

なんでこんな変態にそんなことを指摘されないといけないんだと。


そして、男を乗せて椅子は未来にどんどん近づいてきた。


「あなたの目の前にいる男性は190cmあるバレーボール選手だ!もしかしたら知っているかも知れませんね。

190cmの彼と150cmの神崎さんが一つになったら何cmの子供になるんでしょうねぇ??楽しみですよ!」


未来は唖然とした。この科学者はイカれてる。

こんなところで私の大事なものを失ってたまるか!

なんとかしないと...


しかし未来の抵抗も虚しく、男性の硬いものが未来の大事なところまであと数cmの距離まで近づいてきた!


「お願い...やめて」


さっきまでの威勢は失う、弱々しい声が漏れた。


もう終わりだ...未来は絶望の運命を受け入れるしかなかった。


「さぁ始めますよ!」


科学者はそう言い、リモコンのボタンに手をかけた。

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