第2話 あの日の後悔
忘却の霧に触れた者は大切な記憶を徐々に失う。ノアはこれに触れてしまう。夜、眠りにつくと夢の中で「記憶の領域」にたどり着いた。そこには「記憶の案内人」と名乗る少年がいた。ノアは記憶が消える前に記憶の領域を冒険することにした…
記憶の領域とは、その人の記憶から出来た空間。
その人が感じだ「喜び」「悲しみ」「後悔」などの感情からできています。
霧に触れた人間の領域には、「忘却獣」という獣が住み着き大切な記憶を食べるのです。
ノアと案内人が歩いて初めてたどり着いた場所は
【ささやきの樹海】という場所でした。
記憶の領域の中では、今までに感じだ感情が、森や海などの自然や街などの形に現れます。
この森や街の事を『記幻郷(きげんきょう)』と呼びます。ダンジョンのような物です。ささやきの樹海も記幻郷の1つです。
「ここは『ささやきの樹海』 君が感じだ後悔が樹海という形として現れたんだ。」
案内人は教えてくれました。
この樹海でやるべきことは、後悔という感情から生まれた忘却獣を倒すこと。忘却獣を倒せば『記憶の欠片』を落としてくれます。
それを手に入れたいのです。
森に入った2人。風で木が揺れ、葉が擦れる音があたりに響きます。
木々がささやいている。まるでノアに話かけているように。いや、明らかに話かけられていました。
ノアには木がなんと言っているのか分かりません。しかし、脳に意味が直接伝わって来ます。
「ノア、あなたがあの時、あんな事を言わなければ、あの子は傷つかずにすんだ」
ノアが友達と喧嘩した時、ノアは強い言葉を放ってしまいました。言葉は取り消す事が出来ないのに。
木々はさらにノアの頭に語りかける
「あの時助けられていれば…」
ノアが見て見ぬふりしたいじめ。自分がいじめられるのが怖かった。こっそり先生に言うとか出来たかな?
後悔は、小さな事から大きな事までありました。
あの時ああしていたら、今の自分は少し変われていたかな?
どうすればよかったのかな?
その時、ノアと案内人の目の前に現れたのは、霧のような狐。
案内人が口を開きます
「あいつは霧狐(むこ)。後悔と言う感情から生ま れた忘却獣だ。あいつを倒して、記憶の欠片を手に入れる!ノア、一緒に戦おう!」
しかし、ノアは戦った事なんて一度もないし、武器だって持っていません。
案内人は言いました。
「記憶の領域では、心が武器となる。記憶の領域では、強い心の持ち主ほど強くなれる。前を向いて。」
次の瞬間、ノアの手には、霧をまとった武器が握られていました。
ノアと案内人は覚悟を決めて、目の前の敵に向かって走り出すのでした。
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