田中日記(実話)

暁ノ勇者

第1話

やあ!俺は田中!高校2年生だ!特技は、リア充にリア充爆発の呪いをかけることだ。

しかし、これには大きな代償がいる。俺の記憶が無くなってしまうのだ!なので、信じられないかもしれないが、記憶を無くしてしまった俺が少しでも記憶を取り戻せるようこの日記を書く。


2024年8月11日

俺は今話題の新作プラモデルを買いに行った。慣れない早起きをし、電車にゆれる。その後は、徒歩でゆめ◯ウンに行く。しかし、ここに強烈な敵が現れた。

「くっ!」

それは太陽だ。そう、いまは夏。女子たちが水着(スクール水着が至高)を着てじゃれ合う季節だ。ただし、それには過酷な代償があった。トニカクアツイ。暑すぎる!

「何なんだこの暑さ!リア充ぐらいアツいぞ!」

俺は額から汗を流しながら歩く。

やっとの思いで着いたホビーゾーンには、衝撃的なことが書いてあった。

「うそだろ……完売なんて、あり得るのか。」

俺は軽く絶望した。

「いや、まだだ。隣のエ◯ィオンがある。」

そう、隣には昨日、プラモデル好きがラインで沢山在庫があったと言っていた、エ◯ィオンがあるじゃないか。

「まだだ、勝負は終わっていない!」

しかし残念なことプラモデルはそこに無かった。そして、俺の心は燃え尽きてしまった。

「クソが!プラモデルばっかりつくる陰キャどもめ!陽キャのようにそこら辺で馬鹿なことでもやっとけ!」

半ば、ヤケクソになった。そんな自分が情けなくてしょうがなかった。

「まあ、仕方がないか。諦めて、プリキュアの変身道具でも買って帰るか。」

そう思って、トイザらスに向かう。燃え尽きた俺は賢者のようだった。

 しかし、転機がおとずれる。

「まじか!」

トイザらスに向かった先、驚きの光景がそこにあった。そう、新作プラモデルがあるではないか!しかも残り1つ。

「うっしゃ!」

俺はすかさずそれを手に取った。後ろに欲しそうな人がいたが、しるか。早いもの勝ちだ。わんだふるパクトでも買ってろ。

 買ってしまった俺はかなり機嫌がいい。食品コーナーで、プリキュアグミを2個買う。

レジの女性の痛い視線なんて今の俺には無効だ。

 ハイな気分で駅まで歩いてると、ちっちゃい女の子が数人通り過ぎる。俺もあそこに混じりたかったが、プラモデルがあるから諦めた。

「ふ、全く小学生は最高だぜ。」

しかし、すぐさまリア充センサーが反応する。前を見ると、カップルが歩いてきた。

「くそ、いい気分だったのに……!」

そのリア充は、なんと保育園から中学生まで同じだった女だ。さらにたちが悪いことに、そいつは仲が良かった訳では無いが、小学生のバスケクラブが同じだったりと、少し関わりがあった女だった。

隣の彼氏を見る。彼は金髪でいかにもチャラそうなヤツだ。きっとヤリ◯ンに違いない。

しかし、少し関わりがあったので、内心挨拶ぐらいはしてくると期待していた。挨拶してくれたらちょっと嬉しいからな。

そんな期待を胸に交差する。するとその女は喋りかけてきた。………彼氏のほうに。

「〇〇君好き〜」

「………」

その瞬間、俺の機嫌が最高から最悪に変わり、虚しさが込み上げてくる。クソが!コイツラにリア充爆発の呪いをかけてやる!

「リア充よ!爆発しろ!」

そうして俺はある結論に至る。 

「俺も金髪にすっか。」




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