第9話

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🩸 第9話:罪人よ、燃えろ


炎と怒りの剣を持った殺し屋がユウタをじっと睨んでいた。


殺し屋(嘲笑しながら): 「ショーは終わりだ。今度はお前の番だ、偽りの英雄よ……一撃でお前もあの子犬みたいに地に堕ちる。」


その瞬間、ガードをした……だが、何者かが、幽霊のような速さで襲いかかった。


金属が金属にぶつかり、火花が散る。剣が震え、殺し屋は激しく後ろに吹き飛ばされた。


デルタ(息を切らしながら狂気の笑みを浮かべて): 「どうした?俺が死んだと思ったか?今こそお前の一撃の味を教えてやる、価値のない虫め。」


殺し屋(目を見開いて): 「わからん……どうしてまだ立っている?俺の攻撃は……お前を粉砕するはずだった。」


デルタ(叫ぶ): 「黙れ、慢心したクズが!」


デルタは人間の理解を超える速さで攻撃を仕掛ける。殺し屋は防御に回り、剣で必死にデルタの鎖を防いでいた。


殺し屋(叫ぶ): 「ありえん!この速さ……お前は魔法すら使ってない!どういうことだ?!」


ユウタ(遠くから静かに): 「もし生きているなら、答えが見つかるかもな……」


殺し屋(怒りを込めて): 「黙れ、バカ!」


彼は剣を掲げ、呪文を唱えると、突然剣が燃え上がった。


殺し屋: 「灼滅の刃よ、すべてを焼き尽くせ——地獄の火よ、解き放て!」


真紅の炎が轟音とともに爆発し、辺り一面に煙が立ち込めた。そして静寂が訪れた。


殺し屋(嘲りながら): 「終わったと思ったか、この穢れた獣め?」


しかし煙の中から鎖の音が聞こえ、デルタが背後から現れた。鎖は鉄の蛇のように彼を包み込む。


デルタ: 「まだ息をしているとは運が悪いな……」


一撃で鎖が彼の体を裂き、殺し屋は呻きながら防御し後退した。


殺し屋(恐怖に満ちて): 「わからん……あの炎はお前に当たった……防護の魔法など使っていなかったはずだ!」


ユウタ(心の中で): 「あの剣は魔法の武器だ……この国で持っている者は少ない。ドワーフだけが作れるが、奴らは奴隷にされている。」


ユウタ(声に出して): 「その魔法の剣、どこから手に入れた?」


殺し屋(苦笑しながら): 「お前らの中からだ!ここはドワーフの奴隷だらけだ。魔法武器?いくらでもある。家族を踏みつけて奴らの前でひざまずかせれば、作ってくれる。」


ユウタ: 「デルタ、触るな。俺が前に出る。」


デルタ(目が和らぎ、優しい声で): 「はい、ご主人様。」


殺し屋: 「おい、俺を無視すんな、このクソ野郎!」


彼はユウタに突進したが、デルタが飛び出し重い蹴りで壁に叩きつけた。


デルタ: 「ご主人様の許しを……お前を一瞬たりとも痛めさせはしない。」


殺し屋は鼻血を流しながら立ち上がり、怒りに満ちていた。


殺し屋: 「半人間め、よくも――」


デルタの拳が腹に強烈に当たり、彼を吹き飛ばす。息を切らしながらポーションを飲んだ。


体が輝き始め、目が赤く、顔の血管が膨れ上がり、力が溢れ出す。


殺し屋(叫ぶ): 「今こそ、真の弱者を教えてやる!」


彼は異常な速さで突進し、デルタの喉を掴み上げ、空に投げ飛ばした。続けて自分も飛び上がり、全力で剣をデルタの体に突き刺した。


地が揺れた。


殺し屋(自信満々に): 「終わりか……それだけか?これがてめぇの全力か?笑わせる。」


デルタは瓦礫の下で血にまみれながらも微笑み、立ち上がった。


デルタ(暗く低い声で): 「本当に俺が全力を使っていると思ったか?」


深呼吸を始め、「気」のエネルギーが体から溢れ、周囲の空間が震えた。


デルタ: 「これが『気』と共鳴できる限界だ……だがそれで十分だ。」


殺し屋(恐怖で): 「くだらん!何も感じん……お前は見せかけだ!」


彼は剣を燃やして攻撃したが、突然止まった。剣が落ち、手が……切断されていた。


デルタは切断された手を口から取り出して吐き捨てた。


デルタ(冷静に): 「お前の肉の味はお前の言葉と同じくらいくだらない。吐き捨てろ。」


剣を拾った。


殺し屋(恐怖で膝をつく): 「待て……情報をやる!殺すな!」


デルタ(冷たく): 「ご主人様が待っている。そしてお前は……時間の無駄だ。」


彼は左足の爪で男の足を切り落とし、恐ろしい叫びが響き渡った。


デルタ: 「急がなければ、バラバラにしてやったのに……運が悪かったな。」


鎖が首を巻きつけ、一瞬で音が消え、頭が胴体から離れた。


血が噴き出した。


一方で、ユウタは闇の力で敵を虐殺していた。誰も止められなかった。


デルタは入り口に着き、ユウタは彼女を待っていた。


ユウタ: 「いつ着いた?」


デルタ(血まみれの笑みで): 「さっきだ、ご主人様。お土産もある……」


ユウタ: 「何を持ってきた?」


デルタ(魔法の剣を見せる): 「あのクズの武器を持ってきた。」


ユウタ: 「いいぞ。懐にしまおう。後で役に立つかもしれん。」


二人は奴隷商人の建物に入った……


暗い空間。壁は汚れた油灯で照らされ、血の乾いた匂い、汗、絶望が充満していた。


デルタは前に進み、周囲を注意深く見回した。


デルタ(小声で): 「ひどい匂いがする。」


ユウタは何も言わず、檻に視線を止めた。


猫耳の子供たち、尻尾のある女性、光る瞳の忘れられた種族の男たち……皆静かに鎖で壁に繋がれていた。


何人かの子供は母親のそばに……傷ついているが、きちんとしていた。


ユウタ(心の中で): 「きちんとしている……売り物になるように用意されている。でも本当は隠し場所があるはずだ……順番待ちのための保管場所が。」


ユウタ: 「デルタ、隠し通路を探せ。ここはただのショーケースだ。」


少し探すと、隅に金属の扉を見つけた。狭く寒い地下通路……ちらつく灯りの階段。


二人は降りた……


一階:狭い牢獄、エルフたちがいっぱい。


みな隅で怯えた顔。目がユウタを見て、後ずさる。


ユウタ(自分に): 「変だ……なぜエルフだけなんだ?上の階は色んな種族だった……ここは彼らだけを閉じ込めている?」


デルタは黙って立ち、目で細かく観察していた。


さらに降りる……


二階:ドワーフたち。男女別々。男たちは金槌と火で武器を作っている。足に鎖。虚ろな目。


ユウタ(自分に): 「武器を作らされている……特に魔法武器。従順にさせるために家族を人質に取っている。」


デルタ(小声で): 「ご主人様、下に変なものがある気がします。」


三階:獣人(ウェアウルフ)。


突然一人が前に出て、格子越しに叫んだ:


獣人(怒りを込めて): 「あの印……!それはお前の肩の……アゴラ族の印だ!お前は……娘か?」


デルタ(力強い声で): 「私はさらわれていない。自分の意志で来た。この人間は他とは違う。私たちはお前たちを助けに来た!」


獣人: 「我々は人間を信用していない。しかしもし本当にアゴラの娘なら……」


ユウタ: 「話している暇はない。救いたいなら、生き延びろ。」


デルタはうなずき、ユウタと共に降りていった……


四階、五階、六階……


それぞれの階はより特殊な亜人種たちでいっぱい:狐のような者、鳥人間、鱗のある者。


そしてついに、大きな扉にたどり着いた。魔法で封印されている。


デルタ: 「これは……違う。」


ユウタ(真剣に): 「この扉はドワーフの守護魔法で強化されている。中身は重要だ……非常に重要。」


ユウタ(心の中で): 「この汚い城の秘密を暴く時が来た……」


🩸 続く…



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