検診と出産(第三子)
9.産院と計画と……まさかの再会
退院してから、三日後──初の検診日。
相変わらずの体調不良でふらふらだったけど、どうにかやって来ましたB産婦人科医院!
A総合病院じゃなく、無事にここ──B産婦人科医院で出産できそうで本当に良かった……。
ホテルのロビーのような、待合室のソファに座りながらB産婦人科医院での出産について改めて考えた。
──B産婦人科医院を選んだ理由。
1番は「食事が美味しそう!」ということ。
A総合病院では、毎日の食事はもちろんお祝い膳さえも、一応豪華ではあるけど、例えるならおせち料理みたいな……品数多いけど冷めてるし微妙だったんだよね。
でも、このB産婦人科医院の食事は元何処ぞのホテルの料理長だった人が作ってくれてるらしく、毎食レストランみたいな食事に、3時のおやつ付き!
そしてお祝い膳は、コース料理にしてくれるという。
さらには憧れのアロママッサージもあるし、部屋も全室個室。
個室代だけでもA病院だとプラスでかかるのに、ここなら追加料金なしで個室。ありがたや!
しかもA病院はアメニティなどはなく、パジャマを借りるならレンタル料かかるし、シャンプーや歯ブラシなどもないから持っていかないといけないし、テレビとまさかの冷蔵庫まで課金制だった。
でもB産婦人科医院はそれらはもちろん、ホテルみたいにアメニティもあるから、手ぶらでもOKなくらいという素晴らしさ!
あとね、経産婦としては上の子たちもお見合いが出来るのが嬉しい。
総合病院だと、病棟自体に子供は立ち入り禁止で、お兄ちゃんたちは私と赤ちゃんに退院まで会えないのだ。それが、ここなら会わせてあげられるのだ!
それと、もうひとつ……
今日は、ただの検診日ではない。
今回の出産。産院を変えただけでなく、私は新たな体験をするのだ。それは──
計画無痛分娩!!
やっぱり陣痛はとんでもなく痛い。できればもう体験したくない。プラスでかかる13万の費用はお財布にいたいけど……最後になるであろう今回のお産、無痛分娩をお願いすることにした。
そして、ただ単純に無痛分娩にするわけじゃなく“計画”無痛分娩!
初産ならいいが、上の子たちを実家にお願いしたりするし、いつ産まれるかハラハラするより予定がたてられるのも魅力だったのだ。
ポーン! 28番の方~
私の番号がアナウンスされ、私はA総合病院から持たされた診断書を握りしめ、診察室のドアを開けた──
私「え!?」
先生「あら?」
診察室に入って、一瞬固まった。間違えました!って気分になったが、そんなわけがない。
今回の検診、入院したせいで検診日が狂ったため、いつもと違う曜日なので、いつもとは違う見知らぬ先生が診てくれるんだと思ってたのに……これは予想外がすぎる!
なんと目の前に居た医者が……A総合病院の産婦人科医だったから。
緊急搬送時にここの先生が言ってたように、B産婦人科医院とA総合病院は提携になってる。そのため、たまに総合病院から先生が来ることがあるという話だった。
まさかのA総合病院からの診断書をA総合病院の医師に渡すというシュールな状況。
先生は一応封筒を開封しながらも
「腹痛、下血はあれから大丈夫?」
「はい。問題ありません」
と、中身を見ずとも会話。
こうして無事、問題もなく診察は終了した。
そしてその後、計画の話を──
「よつ葉さんは無痛分娩希望なんだよね? 入院日どうしようか?」
待ってました!
「計画は38週か39週に入れるんだけど……」
「なる早でお願いします!!」
私がそう希望する理由は2つある。
1つ目は単純に妊婦生活が辛すぎる!早く終わらせたい!という理由だ。
無痛分娩という選択をし、陣痛から逃げといてこういうのもなんだが、「子供ができた!?」ってなったとき……また出産の痛みを味わうの? ということ以上に、またあの悪阻くるの? という悪阻の体調不良への恐怖の方が大きかった。
そして、実際には今までの悪阻以上に今回の妊娠はトラブル続きで辛く、早く終わりを迎えたかったのだ。
それともう一つは……たぶん遅くに予定すると、それより早く陣痛がくる可能性大! だと思ったからだ。
出産予定日は40週0日だ。でも、その予定日ぴったりに生まれる子は5%程度。
出産予定日はあくまで“予定日”であり、実際は前後する。正常な“正産期”といわれる期間は37週~41週と大きな開きがあるのだ。
そして上の子たちは、1人目が2週間。2人目は10日と、2人とも早く産んでいる。
きっと……この子もそうなる可能性が高い。
そう思い、なるべく早い日にしておきたかったのだ。
「──うーん、そうだなぁ。38週にするなら金曜日と火曜日なら空いてるよ」
そう言われ、カレンダーを覗き日付を確認する──!!?
「金曜日!! 金曜日がいいです! ○日(金)で、お願いします!」
私は食い気味にお願いをした。
何故ならその日は──旦那くんの誕生日だったから。
いつも子供たちの誕生日を、すぐ忘れる旦那くん。でも、この日にすれば絶対忘れない!
そう思いながら、ますます出産が楽しみになり、期待に胸をふくらませた。
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