4.家族への連絡
さてさて、さっき先生に言われたこと。
「ご家族に連絡」
うん。2人ともまだ電話繋がらないよ! ……しょうがねえ。迷惑かけるかもだが、それぞれの職場に電話するか。
……プルルルル「はい、C店です」
「私、よつ葉と申します。そちらで働いている よつ葉の妻なのですが……主人はおりますでしょうか?」
「えっと……今日は15時頃出勤とのことで、まだ来てません」
……は? なんですと?
「わ……かりました。ありがとうございます、失礼します」
……なんだとぉぉぉぉ! あいつは何してんじゃ!?
普通にどこいった? でも今日は“連絡するかも”ってわざわざ朝に言ってたよね? なんで、連絡取れねぇんじゃい!!
イライライライラ……すると
ブルルルルルル! スマホ震える。
(旦那くん!? じゃなかった……けど、お母さん!)
「お母さん!」
「ごめんね、今昼休み入ったんだけど……入院って何!? 孫は! 私の孫は無事なの!?」
「あ、お孫さんはご無事です。問題は私だけみたい。
いやね、昨夜からお腹痛くて……」
と経緯説明。10分ほどでまさに飛んできてくれた!
そして保険証を託すと、入院手続きなどしてくれ、コンビニで買えるような必要なものも買ってきてくれた。
「お母さん、ありがとう!」
実は母、医療従事者じゃないがこの病院の関係者。
勝手知ったる病院。おそらく私なんかよりもスムーズにやってくれた。
いやー、やっぱりピンチの時はあてにならん旦那より、関係者のお母さんが頼りになるわ。
「本当にごめんだけど……子どもたちよろしくお願いします」
お迎えとか全部丸投げ。実家近くて良かった!
ふぅ……これで一安心。
で?? 旦那は?
とりあえずやることもないし、眠いから寝た。
──ブブブブ! ……はっ! スマホ鳴ってる!?
あ。今度こそ、旦那くん!
──ピッ!
「どうした!? 入院ってどうした?」
「そんなことよりお前、何処に行ってたんじゃい!!」
とりあえず激おこ。旦那いわく他の店による用事があったらしい。
……いや、朝私が様子おかしいこと分かってたじゃん?
今日は特に電話、気にしとけよ。電話でろよ。報連相しろって日頃から言ってんじゃん? 妊婦の妻、いつ何があるか分からない。違うところに行くならちゃんと伝えて!
と、文句を伝えてからの今の状況+必要なものを指示し、「面会時間20時だからね!」と、持ってくるよう頼む。
そして、保育園のお迎えはお母さんにまかせたこと。子どもたちを私の実家に迎えに行くようにも伝えた。
しばらくするとLINEで連絡が。
旦那「会社に相談して、早退させてもらう。20時には必要なもの持って病院行けると思う」
ふぅ、やれやれ。
とりあえず、今できることは全部終わった。連絡も取れてひと安心。
そう思ってると、ちょうど看護師さんが登場。
「さっき主人と連絡取れました! 面会時間ぎりぎりだけど来れるそうです」
「えっと、よつ葉さん……さっきお母さんが面会に来てましたよね? コロナ対応で、面会は一日おひとりしか出来ないんです」
……は? なんですと!?
コロナも落ち着いてきた2024年はじめ。
世間はマスクも外すようになってきたけど、病院はまだまだコロナ対応。
これでも一日ひとりだけでも出来るようになっただけ、コロナ禍よりは、かなりマシになったらしい。
そ、そんなぁ……。
とりあえず、来てもらっても面会は出来ないこと。でも、荷物……入院セットだけはお願いします。とLINEで旦那へ伝えた。
そして、夕方。
大腸の専門医、消化器科の先生が来てくれた。そして言われる。
「大腸が炎症起こしてるんだと思うんだけど……妊娠中ってあまり検査出来なくてさ。とりあえず今より酷くならないようなら対処療法で様子見。
でも、やっぱり心配ではあるから、産後に検査してみよう」
えー! そうなの?
産後って……予定日まで1ヶ月以上あるけど大丈夫?
と思っていると、話は続く。
「今も下血は続いてるんだよね? ガス(おなら)出てないよね?」
「……あ、そう言われれば……出てませんね」
「やっぱり。腸の動きがね、悪くなってるんだよ。だから、腸を休ませるために……とりあえず、3日くらい絶食ね」
……絶食!?
そんな……昨日の夜から調子悪くて、今の状態でも丸一日何も食べてないのにっ!
(……けど、まあいっか)
本来なら、食べるの大好きな私。絶食と言われ絶望するはずだが……現在私は妊娠中。
もう妊娠10ヶ月にもなろうというのに……まだ
一般的には妊娠3ヶ月の頃。大半の人が安定期の頃には終わる悪阻。
でも私は今までも、今回もずーーと。出産するまで体調不良が続いてた。
今回もそう、今も腹痛がなくても体調絶不調。
ベッドの中で過ごさなきゃいけない退屈な入院生活も、今の私にとっては家とあんま変わらない。
食事だって食べたら気持ち悪くなるから、食べれなくても……「まあいっか」と受け入れられたのだった。
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