マスク仮面は助けたい。
羅門祐人
第2部 第76話 やることが沢山ありすぎ!
*これよりマスク仮面の第2部開幕となります。
題名も少し変わりました。でも、中身は直結していますので御安心を(^_^;)
※カクヨムの近況ノート第2部76話のところの添付画像と、X(ツイッタ)にファンダリアのマップを掲載しました。丸マークは各国の首都の位置です。
※ナンバリングされているのは、いまの時点で公開できる国の名前です。
※国名については、以下のようになっています。
1、メルデス王国(王都バース/グランフェルト大陸中部)
2、魔王国(魔王城/グランフェルト大陸北部)
3、聖皇国(聖都エリシュレーン/マキア半島)
4、ブロムウェル帝国(帝都ガンデリオン/北エスバル大陸)
5、反転ダンジョン(エルコスタ森林地帯/南エスバル大陸)
6、大魔林(グランフェルト大陸東部)
7、アリエスの森(魔女の森/グランフェルト大陸中北部)
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「で……どーすんのよ?」
米軍のヘリで東京にもどった俺たち。
事務所に行くのかなって思ってたら。
そのまま横田基地の来賓室に案内された。
そして出されたコーヒーを飲んでたら。
ランドウォーカーさんと基地司令官がやってきて、非公式の会議を行ないたいと言われた。
だが!
非公式って言ってる割に、日本政府の首相がいる……。
しかも、辞めたはずの海〇首相。
なんで?
タネを明かすと、なんと第2次海〇内閣が発足しちゃったんだな、これが。
ちなみに2月に解散した第1次内閣なんだけど。
表だっての理由は、補正予算に関する与野党合意に基づく衆議院解散ってなってる。
実際は、ダンジョンに核兵器を配備することに関してなんだけど、そんなこと表に出せるわけない。
なので順調に行けば、衆議院選挙後に第77代の総理大臣が決まるはずだった。
ところが……。
な、なんと!
自〇党が275議席という、安定多数に達する議席を獲得してしまったのよ。
こうなると、大勝の立て役者になった海〇さん。
辞めるに辞められなくなっちゃった。
結果的に。
アメリカ側の脅しにも関わらず、第2次海〇内閣が発足しちゃったってわけ。
ここらへん、表の流れは令和時代の歴史のまんま。
まるでダンジョンや次元裂孔が出現しなかったみたいな歴史の流れになってる。
まあ、これもまた、歴史の自浄作用なのかもしれないけど。
なんとなく納得できない……。
ええと……。
このへんの事はもう置いといて。
横田の基地司令部にある会議室に案内された俺たち。
首相まで列席してる、非公式会議に参加させられたわけだけど。
会議が始まるやいなや、会議室に時空門が開いた。
時空門といえば、魔女さんだよね~。
そう、ファンダリアで、森に封印されてるアリエスの魔女さん。
封印の影響で、時空門こそカイラスのいる所ならどこでも開けるけど、そこから一歩も動けない呪いにかかってる。
これってかなり不便。
だって勇者たちと対峙した時だって。
もし何か問題が発生して、カイラスが移動しなきゃならなくなった場合。
魔女さんは一度時空門を閉じて森に帰り、もう一度、カイラスのいる地点に時空門を開かないといけないの。
もしカイラスが走ったり飛んだりしたら、それこそ超大変!
どんんだけ時空門を再出現させても、到底追っつけないもんね。
「カイラスに呼ばれて来たのじゃが……」
どうやら魔女さんも、会議の内容までは知らない様子。
「いや、呼んでない」
けんもホロロのカイラス。
でも、魔女さんはメゲない。
「口では言わずとも、思念は時空を越えて、わらわのハートにずきゅーんしたのじゃ」
ちなみに……。
何度でも言うけど、魔女さんって見た目は20歳代の超絶べっぴんさんだからね?
それでいてカイラスにラブラブなんだから。
カイラスもいいかげん満足すりゃいいのに……。
も、もしかして。
カイラスって、『ロリのじゃ』じゃないとダメな口?
そんな事を考えてたら。
すかさずランドウォーカーさんが説明を始めた。
「ええと。もう、いいですか? それでは……伊丹ダンジョンとオクラホマダンジョンに関しては、多大なる犠牲が発生したものの、ひとまず勇者エリスたちのいる至獄との連結を断ちきることに成功しました。
勇者側も聖剣ブリアラントを凍結されている現状、新たな手段をもって、地球もしくはファンダリアへ侵攻しなければなりません。つまり再侵攻するには、それなりの手順を踏まなければならない。
これは我々にとって、非常に助かる状況といえます。なぜなら、今回の事変で判明した通り、勇者たちのほうが圧倒的に鍛練した期間が長く、このままの状況で勇者たちの侵攻を受ければ、我々に勝ちめはない……そう判断しているからです。
ですが一方で、勇者エリスは、ファンダリアの魔王城を壊滅に追いこんだと発言しました。これは魔王である私には、どう考えても見過ごせない出来事ですが……。
それ以上に、魔王城が壊滅して、現魔王の我が娘エメリアが魔界から脱出しなければならない……そんな状況になっている事のほうが重大です。
おそらく……ファンダリアで『魔界』と呼ばれる魔族の支配領域は、すでに至獄の悪魔や魔物たちに制圧されている。だからエメリアは魔界に留まることを許されず、否応なしに人族の支配領域へ逃れることになった……そう判断しています」
いつになくランドウォーカーさんの口が重い。
やっぱ自分が不在のとき。
実の娘が酷い目にあったんじゃ、さしもの魔王も心が乱れるよねー。
ここまでランドウォーカーさんが発言した時。
カイラスが口を開いた。
「現魔王は人族の支配領域に逃れたと言うが、ファンダリアの人族国家は、いずれも魔王軍との戦いを続けた結果、魔族に対する深い忌避の念を募らせているはずだ。そんな中に現魔王が逃げてくれば、たちまち討伐されてしまうのではないか?」
会議のテーブルには、カイラス用として、豆大福が山盛りになった皿が置かれてる。
でもカイラス。
さすがに遠慮してるらしく、今のところ3個しか食べていない。
「大賢者の言われる通りですね。となればエメリアが逃げのびた場所は、メルデス王国の北東部に広がる『大魔林』しかありません。あそこには最強クラスの魔物が群れをなしているから、王国の冒険者や軍も容易には近づけないですので」
「だからといって、いつまでも潜んでいるわけにもいかんだろう? 魔界を制圧した至獄の連中は、勇者たちが言っていたように、そのうちファンダリア全域を破壊消滅させるため、人族領域へ侵攻してくるはずだ」
カイラスの質問は、会議の場を暗くするのに充分なものだった。
しかしランドウォーカーさんは、務めて明るく振る舞おうとしている。
さすが『至天』で、最上級の魂たちに鍛われただけある。
これって史上最強のリア充集団にサポートされたみたいなもんだよね?
「その通りです。だから私としても、まずファンダリアを救うために、なんとしても我々の精鋭部隊をファンダリアへ転移させ、人族国家群と共に、至獄勢を時空の彼方へたたき返したい……そう思うのは、あまりに利己的でしょうか?」
最後になって、自分勝手じゃないだろうかと自己批判してる。
そりゃ実の娘が行方不明で、いつ討伐されるかわからん状況って。
親からすりゃ、居ても立ってもいられないはず。
なのに自己批判しちゃうあたり。
やっぱランドウォーカーさん、根っから善人転換しちゃったみたい。
「いや……たしかに、この状況で娘を思う貴殿の態度は利己的かもしれんが、事の全容を包括的に勘案すれば、まずファンダリアを救うというのは理に叶っている。
ただ、至獄の戦力を我々は知らない。至天で鍛練した貴殿であれば、ある程度の判断はきるかもしれないが、いまの我々には、圧倒的に情報が不足している。
なので、この状況のままでは、ファンダリアへ転移できる手段があるとしても、すぐさま向かうのには賛成できない」
カイラスは用心深い。
それは判ってる。
けど、もっともファンダリアに帰りたかってるのもカイラスだ。
その張本人が、このまま戻るのはマズいって言うんだから、たぶん熟慮した結果の結論なんだと思う。
「あの……」
ここで事務所の良識、彩香が手を上げた。
ちなみに事務所メンバーは全員、変身してない普段の姿に戻っている。
「遠慮せずにどうぞ」
議長を務めているランドウォーカーさんに指名され、彩香が話し始めた。
「えっと、わたしが無知なだけかも知れませんけど……魔王さんって、至天で800年くらい修行なされたんですよね? 勇者さんたちは3000年も……。
ということは、私たちも最低3000年くらい修行しないと、勇者さんたちには勝てないんじゃないでしょうか?」
「それについては、あとで話そうと思っていたんですが……まあ、いま話すべきでしょうね」
そう言うとランドウォーカーさん。
テーブルに両肘をつき、両掌を絡ませた上に顎を載せた。
その状態でしゃべるのは大変だと思うけど、実際しゃべってる。
それがまた、しっかり様になってる。
いいねえ、渋オジのイケメンは。
なにやっても絵になるんだから。
「至天や至獄といったあの世の世界は、我々の住む三次元宇宙とはまったく別の時空間に存在しています。そもそも三次元空間ですらない。
あの世は四次元宇宙の中に浮かぶ、一種の閉鎖時空間なのです。その閉鎖時空間は三次元宇宙との次元障壁に張りつく形で存在しています。
そして『あの世』の閉鎖時空間は、時空トンネルで頻繁に三次元宇宙と連結されています。いわゆる臨死体験とかで見る『トンネル』がそれです。
至天や至獄もあの世には違いないのですが、あまりにも膨大な時空エネルギーをため込んでしまったため、現在は独立した閉鎖時空間として分離してしまいました。
なので至天と至獄は、いわゆる『あの世』とは分けて考えて頂いたほうが、間違って理解しないで済むと思います」
彩香の質問には答えず、なぜか至天と至獄の説明をしはじめた。
当然、彩香も怪訝そうな表情になっている。
ってか、彩香さん?
いまの説明、理解できてんの?
「では、私が至天で鍛練した『修練場』とは、いったいどんな場所なのか? これから説明します。
まず……修練場は、四次元空間内に漂っている、極小の五次元閉鎖宇宙です。地球の物理学者が『カルツァ=クライン時空間』と呼ぶ仮説上の余剰空間がそれで、この時空間はたしかに存在しています。
カルツァ=クライン時空内部では、閉鎖時空ゆえに時間が内部で循環しています。そこに三次元時空の生命体が、肉体を持って入ることは不可能です。
しかし方法はあります。五次元空間に三次元物質である肉体が入ったら、肉体の時間は停止します。しかし五次元空間へ出入りできる『魂』は別です。
そこで、なんらかの方法を用いて肉体と魂を分離すれば、少なくとも魂は五次元空間内で自由に活動できることになります。
しかも時間が内部循環しているせいで、三次元や四次元空間から見れば、まったく時間が経過していないように見えます。
つまり、あの世である至天や至獄、天国や地獄、さらに言えば現世の地球から見れば、修練場にいくら滞在しようとも、現世での時間は1秒たりとも経過しません。
時間が未来へと規律正しく流れていなければ、過去も未来も存在しません。前世も来世も存在できません。
ここらへんの感覚は、令和時代から昭和時代へ、ファンダリアを経由して転移したレン殿やリン殿には、体感的に理解できると思いますが……いかがでしょうか?」
なんか、ちょー難しい話になったもんで、正直、聞いてなかった。
それはリンも同じらしく、いかがと言われてキョトンとしてる。
「あー、そのー。そこらへんのことはカイラスに任せてるから、そっちで話してくれるとありがたいんだが……」
「レンたちには難しすぎる話だ。構わんから、我々で話を進めよう」
カイラスもしっかりフォローしてくれた。
けど、なんか馬鹿にされたようで気分が悪い。
いや、間違いなくバカにされてる。
「そうですか? まあいいでしょう。ともかく5次元閉鎖時空に行く手段があれば、べつに至天や至獄から行かなくとも、時間経過を気にせずに、納得行くまで鍛練することが可能になります。
そして私は至天にいる最上級の智慧者の魂から、鍛練するために5次元閉鎖時空へ入る特別な魔法を教えられています。
なぜ今回、至天で鍛練せず、別の方法で閉鎖時空へ入るのかといえば、たんに至天にいる魂たちを巻きこまないためです。もし彼らが、私と同じような訓練を必要とするのなら、至天で鍛練しても良かった。
しかし彼らには、魂を磨きあげて『解脱に至る』という別の目標があります。だから私は、ものすごく御世話になった彼らの邪魔にはなりたくない。
そこで遠慮する意味で、私は特別の方法で閉鎖時空に入り、そこで800年間、孤独な鍛練を行なったのです」
「おお、それは凄い!」
カイラスがこれほど相手を誉めるのは、異例中の異例だ。
すぐに俺たちに目を向けると言った。
「そうと判れば、できるだけ早く、その鍛練時空へ入るべきだ。そして勇者たちや至獄の最上級悪魔に勝てる確信を得てから、あらためて地球にもどるなりファンダリアへ向かうなりすればいい!」
「ちょい待ち! 地球にもどるのは魔王の魔法で可能だろうけど、ファンダリアへ行くのは、ちょい勝手が違うんでねーの?」
そう簡単にファンダリアへ戻れるなら苦労しない。
これまでいろいろと、四苦八苦してきたんだからな。
「それについては、吾輩に考えがある。伊丹ダンジョンで気づいていたのだが、事が終るまで保留にしていたのだ。
そこで、ランドウォーカー殿に聞きたいのだが、勇者たちが最初に出現させた富士吉田の反転ダンジョン……あれは本来、反転していない状態で、ファンダリアから地球へ一方通行できるよう仕組まれたものではないのか?」
カイラス、なんか言いだしましたよ。
するりと話を変えるのって、一種の才能だよなー。
「ほう、やはり気づいておられましたか。さすがは大賢者ですね。その通り、本来ダンジョンは、空間転移に関して特異点として存在するものです。そうでなければ、ダンジョン内の転送を可能にしたり、内部に常識外れの広大な空間を常設できる理屈が成りたちません。
そこでダンジョンの特異点を、時空魔法によって拡大運用すれば、時空マーカーが相手先に存在すると仮定してですが、一方通行でなら、少ない魔力で時空転移できる可能性が出てきます。
問題は、どうやってダンジョンを行く先の時空に食い込ませるかですが、それは勇者たちが時空裂孔を利用して実現したことで立証されています。
ただし勇者たちも、ダンジョンが反転するとまでは思っていなかったようですね。結果的に、ファンダリアから直接的に地球へ時空転移するのに失敗していますから。
ここで重要なのは、富士吉田のダンジョンが反転しているということです。通常のダンジョンであれば、ファンダリアから地球へ一方通行で転移できます。だが、富士吉田のは反転しているため、理論的には、地球からファンダリアへ一方通行で転移できることになります。そうですよね、大賢者殿?」
「ああ、その通りだ。そして、その理論構築と時空転移を実行する手段については、とっくに考えてある。
ただしそれを行なうには、富士吉田ダンジョンの最下層へ、最低でも大魔導師と魔王の2人が行き、そこで時空転移魔法を行使しなければならない。
その時には、ダンジョンの質量を丸ごと時空反転できるほどの魔力が必要となる。大魔導師と魔王の保有MPでは到底足りない。そこで魔女の絶大な魔力が必要になる。そうだな、アリエスの魔女よ?」
カイラスが初めて、みんなの前で魔女さんの『愛称』を呼んだ。
「我が旦那様よ、その通りじゃ。ただ……そんな二つ名ではなくて、リアーナという真名を呼んでほしいのじゃが」
「おまえ……真名を隠す気はないのか?」
「亜神になってしもうた以上、人間だった頃の真名を知られても、余人にはどうすることもできんじゃろうて。もしわらわの真名を悪用しようとする者がいれば、たちどころにわらわの神罰を受けて消滅してしまうだけじゃ」
亜神って神罰を下せるんだ。
知らんかった……。
「そうか、なら良いが。となると我々がファンダリアへ移動する障害は、何もなくなったと見て良いな。さらに言えば、地球世界のどこか……日本の東京でもどこでも良いが、大魔導師の能力で、新たに時空マーカーを設置すれば、たとえ一方通行でファンダリアへ戻っても、あとは魔力の許す限り、自由に地球と往来できることになる」
「おいおい。時空転移ってのは、ものすご疲れるんだぞ? それに時空マーカーを設置しても、時間流のどこに流されるかは判らん。実際、俺たちは昭和に流されたしな。それが判ってるのに、まあ集団転移させろって言うのか?」
カイラスがぺらぺら喋るから、ついツッコミ入れたくなった。
「その通りだ。そのために大魔導師が存在するのだから、つべこべ言わず従うが良い。それに……時間流に関しては、いっそ反転ダンジョンを利用したほうが間違いを起こさないから、おまえの魔法ではなく、ダンジョン主体で行なったほうが良いな」
あ、みんなの視線が痛い。
みんな、俺の時空魔法がポンコツだって思いはじめてる……。
仕方ないなあ、もう。
覚悟を決めるか。
魔力については、反転ダンジョンを使うやり方なら、魔女さんのサポートとカイラスのMPポーションがあれば大丈夫やろ……。
あ、でも確認は大事。
「魔女さん……。反転ダンジョンの最深部で、きっちり魔力支援をしてくれるんでしょうね? 俺のMPだけじゃ全然足りませんよ? カイラスのMPポーションだけじゃ、時空反転魔法を使いながら、時空転移魔法で時空門を維持できませんからね?」
「カイラスがおる場所なら、わらわは時空門を開ける。ただし一歩も動けんのじゃが……まあ、サポートなら出来るじゃろう」
「それは心強い! それじゃファンダリアへ到着した後も、いろいろサポート願えますか? なんか至獄の強い連中がなだれ込んでるって話だから、強化する前に殺られちゃう可能性もあるし……」
「ファンダリア内であれば、『空間転移門』で事足りるが……至獄の連中と戦うとなれば話は別じゃな。そういうことであれば、まずわらわの呪いを解いてもらいたい。
わらわが自由に行動できるようになれば、御主らに助力するのも楽になるし、場合によっては、魔王の娘を探す手助けもできるじゃろうて」
「あ、いや……それは」
カイラス、なんか止めようとしてる。
そうはさせるか!
「あっ、そういうことなら全面的に俺たちも協力しますね。カイラスも、魔女さんといつも一緒にいられるようになるだろうし」
「あ、レン、貴様……」
「あっれ~? カイラスは魔女さんと一緒にいるの、もしかしてイヤなのかな~?」
「う、あ、いや、そういうわけでは」
「我が
魔女さん、一瞬で般若の顔になった。
「あう……い、嫌ではない」
「よっしゃ! ならばそういうことで!!」
久しぶりに、俺様が音頭を取って話を決めた。
ということで……。
会議そのものは、その後も首相を交えて、細々とした取決めを行なったけど。
おおむね重要なことは、これまでの会話で決まったっぽい。
順番をつけて要約すると。
1、ともかくファンダリアへ急いで時空転移する。
2、なんとかして魔女の森の封印を解除する。
3、魔王の娘を見つけて保護する。
4、ファンダリアに侵攻している至獄の軍勢を撃退する。
5、もし地球勢の力が足りなければ、五次元時空間を利用して鍛練する。
6、ファンダリアを救ったら、勇者たちと至獄を相手にするため、再び鍛練をする。
7、すべての準備ができたら、勇者たちのいる至獄へ殴りこむ。
箇条書きにしてみると。
なんとまあ、常識はずれなこと!
でも、やらなきゃ地球世界とファンダリア世界が滅ぶ。
もちろん、俺たちも無事では済まない。
だったら……。
やるっきゃないよねー。
というわけで俺たち。
大至急でファンダリアへ向かう準備をすることになったのである。
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