一章

第1話 欧州の亡霊

1945年10月20日、アルゼンチン大統領、フアン・ペロンは国防省情報部にある命令を下した


"今日の夜、ロサリオ港でUボートに乗ったドイツからの来客が来られる、丁重にもてなせ"


そう受け取った情報部は指定の場所に遣いを送り、待機した。


「なんでドイツからの来客を迎えるのにわざわざ深夜の港で待機してんだ?」

兵士は疑問を口にする。


「どうせナチスからの亡命者だろ、大統領は反共政策のためにナチスから亡命者集めてんだよ、そんな事もしらねぇのか。」

同僚が呆れた声で答える。


遣いの兵士がしばらく待機していると深夜の海には似つかわない船が浮上した、情報に載ってたUボートだ。


港に浮上したUボートはハッチを開け、中からは8人ほどの人が出てきた。


それを確認した兵士たちは輸送トラックで迎えに行った。


兵士が顔を確認すると、兵士は唖然とし、自分の目に映る光景を信じることができなかった。

(な、何故ここにヒトラーがいるんだ⁉︎総統地下壕で死んだはずの...)


兵士は困惑しながらも、輸送トラックにヒトラー含む8名のドイツ人を乗せ、サンタフェ州の郊外にある農場の奥の邸宅にヒトラーたちを運び、下ろした。


邸宅に着くや否や、ヒトラーは亡命に付いて来た幹部と武装親衛隊員に演説を起こなった。


「諸君、我々は歴史から名を消され、祖国を失った。」

「だが我らには強い復讐心と秘密兵器がある、連合国への消えない憎悪は炎となり、再び欧州と連合国を燃やし尽くすだろう。」


邸宅の庭に拍手が湧いた。


ヒトラーの演説に感銘を受けた親衛隊員は目を輝かせある質問をした。


「総統閣下、その秘密兵器とはなんですか?」

そう言うとヒトラーは待ってましたと顔に浮かべ、発言する


「その秘密兵器とは、これのことだ」


ヒトラーが掲げたものは新しい小銃でも爆弾でもなく、大きなタコが女性を触手で絡めて、Hなことをしている絵だった。

しかも、よりにもよって触手で喉を詰まらせヤってる結構過激なやつだった。


これを見た瞬間、全員頭にあることがよぎった。

(もしかしたら総統閣下はご乱心なのでは?)


「総統閣下、冗談がお上手ですね、一体それはなんでしょうか?」

親衛隊員は苦し紛れにこう言った。


「これは我が同盟国である日本の東条英機首相から頂いた日本の伝統的なスケベ浮世絵、春画である!」


さらに疑念が深まった。

たまらずボルマンはこうヒトラーを擁護した。


「総統閣下は皆様のストレス状態を鑑みてジョークを言って場を和ませようとしているんですよ。」


「何言ってるんだボルマン?私は本気だぞ。」


全員、疑念が確信に変わった。

(総統閣下はご乱心だ、もう終わりだよこの総統...)


「あの総統閣下、その絵が秘密兵器なのは分かりましたがそんなスケベ絵どう使うんですか?」

スコルツェニーがそう言うとヒトラーはこのような狂言を言った。


「この絵は英機によるとどうやら洗脳を行えるらしくてな、実験はしてないからわからないがもし本当ならスケベと我々に忠誠を誓う最強の兵隊が作れるはずだ。」


「もし成功したら君の為に第一武装親衛隊スケベ師団を設立しよう。」


「お気遣いありがとうございます、総統閣下。」

(何言ってるんだ総統閣下!目を覚ませ!)


「まぁ今日はこのくらいにして寝よう、明日はペロン大統領との面会がある。」


そう言うとヒトラーは演説台から降り、お開きとなった。


幹部や親衛隊員はこれからの亡命生活やヒトラーの先が長くないことを不安に思いながらも、総統閣下に最後まで尽くす覚悟を決め、就寝した。


その夜、ヒトラーはある夢を見た。


(これは夢か?ここはどこだ?一面まっピンクでスケベダンサーしかいないぞ...)

ヒトラーは疑問に思いながらも前へ進む。


"そこにいるのか、ヒトラー?"


唐突に聞こえた呼びかけにヒトラーは誘われて、声のする方へと歩き出した。

すると呼び掛けの主と思われる人影が見えた。

その人影は、体はローブで隠れていたが神々しさと妖艶さがこれでもかと溢れており、体はたまらずヒトラーはこう感じた。


(なんなんだこいつは、ローブで隠れているとはいえオーラをすごく感じるし、くびれがもの凄いぞ...)


「なんだお前は、名を名乗れ。」

ヒトラーは質問した。


「それは今は答えられぬ、だがこうとは言っておこう、私は神だ。」


ヒトラーは信じなかった。


「本当に神なら、何か力を見せろ。」


そうヒトラーが言うと、神は指を鳴らす。

するとヒトラーのペニスが急に大きくなり、服を突き破るほどの大きさ(30cm)になった。


「どうやらお前は本当に神なんだな。」


「ようやく分かったのか、人間。」


「一つ質問がある、何故私の夢に出て来た?」


「それは答えられぬ。」


「ただ最後にこう言っておこう、ブエノスアイレスのサン・イシドロ地区に地下遺跡がある、そこに行けばお前の野望の成就に役立つだろう。」


そう言うと神は姿を消し、ヒトラーは目が覚めた。


(あの神が言っていた地下遺跡とはなんだ?ペロンなら知っているかもしれんな。)


そう思い、ヒトラーは車を走らせアルゼンチン大統領府へと向かった。

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