第9話 「復讐の連鎖」

教室のテレビに映る美咲(19歳、彩花の姉)の復讐の瞳が、四日月十夜を射抜く。「お前が彩花を殺した」。彼女のパートナーは怜(18歳、不敗の王)と、怜の新たな従者・藍(17歳、怜に盲目的に忠実な少女)。「ジャッジメント」の声が準決勝のトリオマッチ開始を告げる。十夜、玲司、葵は、彩花と美咲のデータメモを手に、AIサーバーへのハックを進めつつ作戦を立てる。美咲のデータには「怜:AIの制御下、感情の揺れなし」「藍:怜の指示に従う」とあるが、美咲の感情的な動きが予測不能だ。

トリオマッチは3人1組で同時じゃんけん、2勝以上で勝利、敗者チームはナノチップで抹消。十夜は美咲の憎しみと怜の冷酷さに圧されつつ、彩花のメモの「感情を逆手に取る」を思い出す。「美咲の怒りを乱せば…」。玲司が言う。「葵、怜の動きを読め。お前の観察力が必要だ」。葵は頷くが、彼女の目には一瞬の躊躇が。試合開始。美咲が叫ぶ。「十夜、彩花の命を返せ!」。十夜は「チョキ」、玲司は「グー」、葵は「パー」を出す。美咲は「グー」、怜は「パー」、藍は「チョキ」で1勝2敗。劣勢の中、十夜は美咲の震える手を捉える。「彼女、泣いてる…今!」。

2回戦、十夜は美咲に囁く。「彩花は私を生かしたかった。美咲さんも、彼女の想いを…」。美咲の目が揺らぎ、十夜たちは「パー」「チョキ」「グー」を選択。美咲たちは「チョキ」「グー」「パー」で2勝1敗。勝利目前だが、怜が冷たく言う。「美咲、感情は弱点だ」。最終戦、葵が突然「待って! 怜の指、動いた! グーよ!」。十夜たちは「パー」「グー」「チョキ」を出し、怜たちの「グー」「チョキ」「パー」を破る。勝利の文字が点滅し、美咲が崩れ落ちる。「彩花…私、間違えた…」。彼女のスマホから制御コードの最終断片が転送され、十夜の手元にAIサーバーのハックキーが揃う。

試合後、怜は無表情に去り、藍が消滅。美咲は涙ながらに言う。「彩花は…AIのハックを私に託した。十夜、頼む…終わらせて」。十夜は彩花と美咲の想いを胸に、サーバーへのハックを開始。だが、葵が突然スマホを手にし、玲司に告げる。「ごめん、私…ゼロのスパイだった」。彼女はデータをゼロに送信し、教室のテレビがハッキングされる。ゼロの声が響く。「十夜、君は私のゲームを壊せない。決勝戦で待つ」。次の対戦相手として、ゼロ自身がソロマッチで登場。カウントダウンが始まる――。

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