Σ2:自分の中での変化
第44話
「え~、それでは今年度、我が数学科の仲間入りをしてくれた八嶋雅樹クンの歓迎会を始めたいと思います~」
幹事の高島が元気良く声を上げた。
静まり返る空気。
高島以外は野郎(男)ばかりの数学科
男集団のせいなのか皆、マイペース
「はい、先生達、拍手、拍手!」
「高島ぁ、乾杯は?」
「ハイハイ、野村先生、もうすぐですよ。拍手が先!はい、拍手~!」
それにもメゲない高島のおかげで
この数学科の雰囲気が変わり始めているような気がする
「はい、皆さん、ありがとうございました!それでは、乾杯の音頭を古川先生お願いします。」
「え~、高島の元気のよさで他の科よりも活気がある数学科ですが、これからは新しく入った八嶋クンもこのノリについて来てくれるといいな~って思っています。」
古川の言う通り、数学科はマイペースなヤツらばかりだけど、他の科よりも元気があって、他の数学科教師達もなんだかんだ言いながらも高島を可愛がっている
「乾杯!」
カチン!
ゴツッ!
カチン!!
「ひゃ~、グラス押しすぎですって!」
「悪い、わるい。」
その証拠。
高島と乾杯をしようとする幾つかのグラス。
「飲んどけよ、高島。」
「嬉しいですケド、あたし、今日幹事なんで。」
「会計の清算なら助けてやるぞ。」
「やったぁ!じゃ、遠慮なく!」
酒が好きな彼女の前に差し出されるビール瓶。
体育会系の彼女らしくさっさとグラスを空にして。
差し出されるビール瓶に自らコップを出す。
嬉しそうに飲み干す。
それを何回か繰り返していて。
さすがにちょっとハイペースなんじゃ
『高島、ちょっと飲みすぎ。』
「だいじょうぶですよぉ~。入江先生も飲みましょ♪」
ちょっと酔っ払ってきている高島が
幹事の仕事を全うできるか
ちょっと心配だ
それに、彼女が幹事の仕事をやり終えたとしてもその後、自宅までちゃんと帰れるかも
なんか俺、飲んでる場合じゃない気になってきた
『いや、俺は』
「キライなんですかぁ?」
ビール瓶を片手に目をうっすらと潤ませた高島。
その顔を見てると時間薬って本当にあるのかと呟いたあの時の彼女が頭を過ぎる
その答えはまだ彼女に言ってやれていない
お互いに忙しさに追われていることに甘えて
なんとなく胸の奥のほうに置き去りにしたまま
彼女から俺に改めて聴いてこない状況にも
甘えている俺
その状況は変わらないまま
でも、あの頃から
俺自身の中で変わったかもしれないこと
それは・・・
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