第22話

しかもその発言をきっかけに

お互いに悪態をつきながら睨み合う入江先生と日詠さん。


それはまるで血の繋がった兄弟のやりとり。


職員室で隣に座っている入江先生はいつでもクールなのに

あたしの知らない入江先生を垣間見た気がする。



しかも

入江先生の口から飛び出した真里さんという女性の名前。



てっきり入江先生は

ずっと蒼井のことを想い続けてる

そう思っていたのに・・・・



『へえ~入江先生、SNSでやりとりするような女性、いるんですね・・・』



何気にショックを受けたあたしは

その気持ちを隠すように冷やかし口調で入江先生に問いかけた。



蒼井じゃなくて

目の前にいる伶菜さんでもなくて


真里さんって誰?

あたしは多分知らない人



入江先生とあたし


過去は

教室では数学教師と生徒

バレー部では顧問と部員


現在は

先輩教師と後輩教師


職員室で隣の席にいても

数学準備室で一緒に教材研究を行っていても


自分が知っている入江先生よりも

自分が知らない入江先生のほうが多いんだ




それを改めて思い知らされたようで

・・・なんだか寂しい




「まあね・・」




多分あたしがそんなことを思っていることなんか知らない入江先生は照れることもなく

焦る様子もなく当たり前のようにそう答えた。




入江先生は

なんでそんなに平常心でいられるんです・・・か?

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