きっとあなたは本当の名前を知らないはずです。

まみ。

第1話 袖ビーム同好会に?

「私たち2人だけに、上司のお誕生日会の買い出しを任せるなんて。何かサプライズのプレゼントを用意しないといけないんですよね?」


「僕はプレゼントには詳しくなくて、本当に申し訳ないです。とりあえず、あの杉玉すぎだまが吊るされた雷紋らいもんが描かれているお店の付近で、何か探してみますか?あのそでビームの先です。」


「ごめんなさい。私には全くわかりませんでした。」


「あ、すみません。杉玉すぎだまというのは、よく酒屋の軒先に吊るされている植物で作った球体のことです。名前の通り、杉の葉を集めて球体にしています。雷紋らいもんは、よくラーメンのどんぶりに描かれている渦巻き模様です。そでビームの向こうに見えませんか?」


「さっきからそのそでビームっていうのは何ですか?」


「ガードレールの板の部分のことを、ビームって言いますよね?」


「それすら知りませんでした。」


「そうなんですか?ガードレールの端っこは、丸まっていますよね?車の衝突時の衝撃を和らげる目的があり、実はそんな部分にも名前が付いています。」


「そうだったんですね。」


「ビームのそでの部分なので、そでビームって名前なんです。大学によっては、そでビーム同好会があるらしいですよ。」


「早速、行ってみますか?」


そでビーム同好会に?」


「違います。何かが吊るされていて、何かが描かれているお店です。」


杉玉すぎだま雷紋らいもんのことですね。その隣のお店にしましょうか。」


「踏切の向こうですよね?」


「はい。バラストが歩道にも転がってきているので、足元を見ながら歩きましょう。」


「バラストって何ですか?」


「もしかしてバラストを知らないんですか?バラストは線路に敷かれている砂利のことです。足元に気をつけてくださいね。」


「そうですね。ちゃんと足元を確認しないと。」


「あ、そっちにはラバーポールがあるので、こちらから行きましょう。」


「何ですか?ラバーポールって?」


「ラバーポールは、オレンジ色で白い縞々が入ったゴム素材で棒状のものことです。車線分離などのために道路に設置されています。あのサインポールの辺りで、道を渡りましょう。」


「そのサインポールって何ですか?さっきのとは違うんですか?」


「サインポールは、理容店のシンボルマークとして使用されている縞模様の看板です。赤、白、青の三色が回転するタイプが一般的ですね。」


「外来語に詳しいんですね。」


「いえ、サインポールは和製英語なんですよ。」


「そうなんですか。着きましたね!このお店ですか?」


「はい!お店の名前に感嘆符かんたんふ疑問符ぎもんふを使うのは、ちょっと珍しいですよね?」


「えっ!今、何って言ったんですか?」


感嘆符かんたんふは、よくビックリマークって呼ぶ人が多いですね!」


「あ、この記号のことだったんですね!」


疑問符ぎもんふがクエスチョンマークとも呼ばれているのは、ご存知ですか?」


「もしかしてハテナマークのことですか?」


「そうです!じゃあお店に入りますか?」


(第2話に続く)

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