エンバース・リバー 余燼の長河

@OkadaMochi

プロローグ

神々の遺骸を敷き詰めたその地に、黄昏は――腐った血のように淀みながら、静かに世界を蝕んでいく。

残されたわずかなグロー――涙のように震えるクリスタル、消えかけた火種、囁く護符のホタル――それらは一つのリバーを織り上げる。


その川は、生と死の断崖をなぞり、骸骨を岸辺に、絶望を息吹に変えて流れていく。

そこには、声にならないキッズの恐怖、抑えきれぬすすり泣き、錆びついたブレードの静寂がゆっくりと運ばれてくる。


前方には、永夜が穿った純粋にして貪欲なジャウル(大口)が待ち構え、

背後には、沈みゆく聖なるマウンテンが、冷たく巨大な墓碑のようにそびえ立っている。


そして、あの歌――ホタルのように儚く、星のように強靭なメロディは、

絶望の只中で唯一灯る、たった一つのナビゲーション。


それはこの光骸のリバーを導き、誰も知らないブラックアビスの果てへと流れゆく。

石の境界を越えるその一歩一歩は、闇への冒涜であり、消滅へのレジスタンスだ。


灰燼のブレードが指すその先に、影狩りが黄昏のキバに身を潜め、

孤児の鋭い眼差しは、暗流に沈んだまま解けぬ予言のように静かに輝く。


こうして、信仰の残り火、血脈の残光、人間の微かな光をすくい集めたリバーは、

神国最後の吐息を携えて、決然と永遠の夜へと沈んでいく。


――余燼長河は、永暗のオーシャンを彷徨い、

その星火は、決して消えることのない残り火。

深淵へと投げ入れられた、それは――最も悲壮で、美しいメモリアルのメッセージなのだ。

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