まだ古の魔法使いは目覚めない

「ボクは【マギア・ソプラ】!5000年ぶりにここに目覚めた【時空の大賢者】だよ!」

...【マギア・ソプラ】!?それって、あの古の魔法使いじゃ...

「おーい!こっちにおいでよ〜!」

マギアがそう呼びかけた。

...こっちにおいでって言われてもなぁ...

みんな悩んだような、びっくりしたような表情を浮かべている。

「み、みんな!行こうよ」

リムカは思い切って大魔法使いたちに声をかけた。

ルアは一瞬険しい表情をしたが、すぐに元の顔に戻った。

「分かった。リムカを信じる」

ルアはそう言い、少しずつ下降していく。

ルアが行くにつれて、他のメンバーたちもついていく。

...よし、行こう!

リムカもそれについて行った。

「やっと来てくれたね!今の賢者さんたち!」

「あ、えっとね、ぼくたちは賢者ではなくて、大魔法使いなんだ」

リムカはそう伝える。

「だいまほーつかい...??」

どうやら分かっていないようだ。

「えっとね、大賢者みたいなものだよ。だけどね、魔法使いは、賢者とは違うんだ。ちなみに、大聖者っていう人も一人だけいるけど、ぼくたちとは違うんだ」

「ふ〜ん...でも、魔力が大きかったから強いことは間違いないよね!」

...あ、これ多分分かってないやつだ。

リムカはため息をついた。

「で、君たちは一体?」

マギアが大魔法使いたちを見回して言う。

「私達は...」

ルアがこれまでのことをすべて話してから、全員自己紹介をした。

「へ〜!つまり、僕らを起こしに来たってわけだね!」

...良かった。理解してくれたみたい。

「でも残念。まだボク以外は"目覚められない"んだ。」

「目覚められない...?」

「うん。みんなの話によると結界をなんとかするためにはボクたちの力が必要ってことだろうけど、"始まりの結晶"が必要なんだ。だから、すべての神殿を回って、神殿それぞれにある結晶を手に入れて、最後、"無の神殿"にたどり着く必要があるんだ。僕一人じゃあきついから。だってこの通り力も封印されてるし」

...え、封印!?

「確かに、古の魔法使いにしては魔力量が少ないように見える」

「でしょ!?ルアも分かってくれたなんて...!嬉しいよ〜!」

...ルア、分かるの!?すっご...

「マギアさん、それはなぜでしょう...?」

リエがマギアに問う。

「えとね、クリンベリルが封印しちゃったの」

クリンベリルって...えぇぇぇ同じ大賢者なのにっ!?

「リムカ、いい質問だね!」

...え、聞こえてたっ...!?って、あれ。声に出しちゃってたのか。

「クリンベリルでもボクの力が怖いみたいで。封印しちゃったの。この布で。」

「マギアのようなとてつもなく強い力、魔力をその布で封印できるのか...どのような魔法陣でできているのだろう...ぜひ調べてみたいな...くぅ〜出来ないのが悔しいぃぃぃ!!!」

「ちょ、クリスさん落ち着いてください...!」

リエがマッドサイエンティスト寄りの暴走しているクリスをなだめた。

でもよかった。いつもだったら

「そ、それを渡しなさい...!今すぐ...!そして今すぐ私に協力してください...実験台になるのですぅぅぅ」みたいにやばいことになってるけど、やっぱりマギアの存在感大きいってことか。

「それで、話は戻るけど、大賢者...じゃなくて、君たちの言う、いにしえ...の魔法使い?が復活するためには、始まりの結晶が必要ってこと。それでみんな本来の力を取り戻せるの!」

マギアは自信満々の顔で言う。

「そうなのか...じゃあ私達が君に協力、というか一緒に旅をして、神殿を巡るということか。でも、その道中で起きるハプニングにも協力してくれると助かる。大魔法使いとしてそれらの仕事は越さないといけない」

ルアがマギアをまっすぐに見て言った。

「別にそれも大丈夫だよ!ボクに任せて!」

頼もしいぞ...!!しかもマギアは封印されてるのに魔力量が普通より多いもん...!!

リムカは心のなかでガッツポーズをした。

「それじゃあ、行こう。」

ルアがみんなに声をかけた。そして、マギアを入れた一行は歩き出した。


_この世界を救うために。

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