賢者タイムで異世界転生!?だったら、モブな人生からエ○イ賢者を目指すしかない!甲冑美女付き(半強制)異世界のんびりライフ

マボロシ屋

第1話 テクノブレイク!!

 俺は、良く分からない白い空間に連れ込まれていた。

 さっきまで大学の課題をほっぽり出して……お気に入りのエロゲーの最高のシーンでオート設定……


 あぁ、そうだそうだ。その後に賢者タイムになってたんだった。

 それがどうしてこんな場所? ホワイ? ホワイトアウト? もしかして俺の空想具現化能力が開花した?


 この目の前のイスに座るグラマラスな女性は俺の妄想……? 微動だにしないまま、こちらを向いているよ。

 彼女を形容するなら、俗にいう恵まれた体とか言う、ボンキュボンな……ごくっときちゃうね……


 こう、少し屈んでのぞけば、桃源郷とうげんきょうが……


「あ、くつひもが――」


「貴方、ろくな死に方していないわね。碌じゃないのは今も変わらないけど」


「え、喋った!? これ、俺の妄想の世界とかじゃないの!?」


「予想以上に気持ち悪いわね……かわいそうに。人生で何一つ満たされなかった弊害ね。自慰以外」


「……」


 シンプルな言葉の方が心に来るわぁ……

 なにこれ、めちゃくちゃ心をえぐるじゃん……


「無駄を省いて、さっさと説明する事にしたわ。アナタはさっき死にました。アナタの世界で言う賢者タイムに、そのまま昇天したわ」


「oh……」


 賢者タイムで魂をどぴゅっとしてしまったようだ。

 これってあれか、テクノブレイクって奴……自分ブレイクしちゃったのか。


「あ……察し。これ、要は転生って事なのね! あぁ、了解了解! んじゃ、転生特典くださいよ。後、名前は? 女神様って呼べばいいの?」


「……飲み込みが早いからこういうキモイのが送られてきたの……? はぁ。そうよ。アナタの言うように私は女神。女神、アクィナス。それでアナタの魂を転生させてあげるって訳。でも、特典――固有スキルやチートは無し」


 目の前にビジネススーツでこちらを厳しく見ている女神、アクィナス。

 自分の事を女神様だと宣言した。それは良い。んなこたぁ、どうでもいい!


 問題は……


 特典無いの!?

 こう、なんでか女に好かれたり、なんでか最強になっちゃうようなさ!?


「な、なんでチートが無いんですか……?」


「死ぬ時に満足してたから」


「いやいやいや!? そりゃぁ、満足してただろうよ!! けどさぁ、こういうのって今までの善行とか、徳がどうの、残り人生がどうのってあるじゃん!!」


 満足してったから無し!?

 そりゃぁ、一人でなにしてりゃぁ満足したさ! でも、一人だぞ!!?

 彼女もいない、こんな俺が満足して逝っただとぉお!?


「……過去一、最悪で間抜けな死に方をした転生者ね」


「せ、せめて何か……転生先の事とか、色々と教えてもらえませんか……特典チートはなくても、転生者特典はあるでしょ……? 事前予約特典とか、DL版特典みたいな……」


「仕方ないわね……じゃぁ、行く時に軽く頭に入れてあげるわよ。転生先の軽い知識と言語」


「ひゃっほぉおお!」


 腕を振り上げ、軽くジャンプする。


「後は、そうね……転生時に今のステータスをいじる事はできるわ。あくまでも微調整って感じ。頭の中で考えれば出来るわ。前世の記憶を部分的に消して割り振っても良いし、身長や――」


「キャラデザって事ね!! りょっ!」


 キャラデザを頭の中で考えた――


 すると俺の俯瞰した真っ裸なモデリングと各種設定。

 それとモデリング下には0%~100%のゲージ。


 おぉ……キャラデザっぽい……!

 今は、ゲージ100%の状態だな。


 身長は出来れば今のままくらいが良いので削らず……

 記憶は学生の時の事は忘れて良いとして……お?結構な空きが出るんだな! 64%まで減ったぞ!


 じゃぁ、大学までの学生生活は忘れてしまうと言う事で。青春なんて無かった、良いね? フォーエバー。


 さぁ、ここからどうするかだ。

 視力は0.01から1.2まで戻しておいて……身体能力、は別に良いか。75%……残りは何にするかな? ん?


 そこで、見慣れぬ項目を見つける。


「なぁ、このチェック項目の欄に『剣士適正』、『魔術師適正』ってのがあるんだけど。これはどういうモノなんだ?」


「それは転生先でアナタが成長するにつれて、どちらにより向いているかの適正値ね。まぁ、全くの適性がないと選択できないから、そこは注意点。どちらも選べるなら剣士も魔術もって事。あと、あくまでも適正ってだけだから、何もしないとただのおっさんよ」


 なんだかんだ言いながら、しっかりと答えてくれるアクィナス。


 だが、俺はそんな歳じゃねぇ!


「まだおっさんじゃねぇよ……了解。んじゃ……」


 おっさん問題よりも、今は心惹かれるモノを優先だ!


 ここは魔術師一択だろ! 妄想力なら誰にも負けねぇ! それにリアルな賢者になれる可能性があるってんなら、これしかねぇだろ! 30歳までに賢者ってな!


 魔術師適正をチェックっ!

 んげっ!? これだけで92%!?


 仕方ない。後は魔力操作でも上げておくか……


「なぁ、魔力値って項目ないけど、厳密にはどの程度必要なんだ?」


「厳密に言うならアナタは10マナ。一般人は皆そのくらいね」


 手を振り振りしながら答える女神。


 一般人10マナ、俺も10マナか……


「一人の大人を魔術で吹き飛ばすのに30マナくらい必要ね。 100マナも有れば相当な魔力量になるわ。ただ、それを測定する方法は『オピアナ』にはないから、気にしても無駄。感覚で覚えなさいって事」


 測定する方法はなし……感覚ねぇ……


「それに極限まで魔力を使う、研鑽という努力で転生者はどこまでも伸びるから」


 アクィナスに続けて言われた言葉に心が踊りだす。


 どこま~でも!? どこま~でも!? 止まらないの!? 魔力成長さん!?


「まじで!? どこまでも伸びるの!? じゃぁ、10マナから研鑽すればマジで賢者になれるじゃん!」


「そうね……チートも無い状態で目指すなら、それこそ死ぬ思いで毎日――」


「良いねぇ! ワクワクしてきた! これだよ! こういうのだよな! 異世界転生!」


「まぁ、使い続ければ分かるわよ。魔力で想像し、呟きなさい」


 死ぬ思い? んなもん、ワクワクには勝てねぇ! 何があろうと目指すは賢者だ、賢者!


「おう! んじゃ、キャラデザ完了! つっても俺に必要な項目はそんなに無かったけどな! よし、これで後は異世界の軽い知識と言語だっけか!」


「既に完了したわ。アナタの記憶もね。じゃぁ、『オピアナ』に送るわね。アナタの今世に、幸あらん事を」


「ありがとな、アクィナスさん! さよなら~――」


 神秘的だな……! 新たなスタートってのは良いねぇ……正直、地球での死に方とか親とか色々と思わなくもないが、これからファンタジーが待ってるんだ!


 楽しい時もあったが、狭苦しさを感じてた事も多かった。それが、変われるかもしれない!


 光に包まれながら、真っ白な空間で真っ白な光。

 視界は白で見えなくなる。


 異世界での新生活を思い、俺は笑いながら目を閉じた。

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