第4話 普通ってつまんないわ side白鷹
私の世界で1番嫌いなもの。
つまらない男。
モテたいと思ってる人たちに言いたいことがある モテるっていいと思ってんの?
有象無象が寄ってくるってことよ 好きな人が寄ってくるならいいの。
しょうもない男がいっぱい寄ってくるの。
下心を持ってるって分かる奴らばっかが寄ってくるの。
それが100人とも繰り返されてみなさい。
うんざりするわ。
学年No.1美少女なのは認めるけど本当面倒?
私に惚れたんだったら、何か差し出しなさい。
私自身も完璧すぎていつも暇なの。
なんでもできるから何にも楽しくない。
私は退屈にいっつも怒ってるの。
私が知ってることなんて興味ないの。
旅行にふらっと行くのも知らない自分を味わいたいからよ。
刺激が常に欲しいの。
辛いものが好きなのもそう。
ホラー映画が好きなのもそう。
ジェットコースターが好きなのもそうよ。
私は「なんか面白いことないかしら?」 と考える癖もある。
気がついたらつぶやいちゃうの。
それがつまらなさと戦ってるの。
本当にくだらない みんなくだらない くだらない男って大嫌い くそ真面目な人も大嫌いなの。
容姿だけで寄ってくる男なんてもっと嫌い 私に可愛いって言えばいいと思ってんの?
超つまんない。
下心丸見えで本当気持ち悪い ジョークの一つや二つ言えないかしら。
この世で1番嫌いなのは退屈ことなの。
なんか面白いことない?
仕方ないから暇つぶしにお笑い芸人の動画を流し続けるわ。
ふざけ倒してて欲しいの。
私は笑いたいの。
シンデレラじゃないけど、私は王子様。
それも私が飽きちゃうぐらい笑わせてくれる王子様に出会いたいっていつしか思うようになったわ。
誰か私の心の乾きを満たしてくれる人はいないのかしら。
これが噂のシンデレラコンプレックスね。
毎日、毎日。
そう思うようになっていたわ。
そうして、やっと私は出会えたの 黒小鳥くんに。
※
黒小鳥くん、地面の紙くずを見つめる。
「何かしら?」
私はそのまま黒小鳥くんの観察を続ける。 黒小鳥が独り言をぶつぶつとし始める。
「ビニール袋と紙コップが話してる……って体でいってみるか」
黒小鳥くん、なんか言ってるわ。
そのままほっとこう。
「私すごくモテたのに、たくさんの物を持てたのに、もう空っぽだわ、また持てないかしら?」
黒小鳥がビニール袋役なのか、甲高い声を出していた。
今度は紙コップに顔を向けている。
「中身がなくちゃ役割がないのはお互い様だよな」
黒小鳥くんの紙コップ役はドスの効いた声だった。
「いいじゃない、まだあなたからはコーヒーの香りがするわ」
ビニール袋役に戻って黒小鳥くんは返事をした。
「もう過ぎたことさ、今はただのゴミクズだ。飲み物がないと存在する価値すらないのは」
やたら、ニヒルでハードボイルドな感じで紙コップ役として黒小鳥くんは寂しげにつぶやいた。
私は後ろからそっと黒小鳥くんに近づく。
「ねぇ、それ、ずっと1人でやってたの?」
黒小鳥はびくっとした。
首をゆっくりとこちらに向けてきた。
冷や汗をダラダラとかいていた。
「あっ、いや、これはそのリハーサルというか、即興劇というか」
「紙コップの方、やけにハードボイルドだったわね」
黒小鳥くんはご主人に叱られた子犬のように心配そうにこちらをじっと見てきた。
「まさか見てたんですか」
「だって楽しそうだったんだもの」
私は自分のしていたことを白状する。
黒小鳥の顔はかっと赤くなる。
「ち、違う! これは若さ故の過ちというか、若気の至りというか、なんというか!」
黒小鳥くんは必死な言い訳をしていて、何の弁明にもなっていなかった。
本当この子は可愛い。
「じゃあ次はペットボトルと割り箸でやってみせなさい。横でずっと見てあげるから」
黒小鳥くんはだいぶ嫌そうな顔をした。
「え、やらなきゃだめですか?」
「だーめ」
私はできるだけ満面な顔で罰ゲームをあげた。
本当なんて楽しいのかしら。
毎日暇だったけどすごく楽しくなってきたわ。
ウキウキした気持ちが止まらなくなる私だった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
白鷹さんの思い、黒小鳥くんとのいちゃいちゃを楽しんでいただけましたか?
もし、黒小鳥君うらやましい。
いちゃいちゃ最高
白鷹さん可愛い
と思ってくださいましたら、
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次回は黒小鳥サイドに戻ります
公開日は7月17日6時頃です。
お楽しみに!
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