レモンティーの夜


秋の夜

レモンティー注ぐ

ブランデーに


ベランダに

濡れたままの

トレンチコート


くたびれた

バーボンボトル

月映す


ドアノブの

冷たさ告げる

別れかな


ラジオから

流れるジャズと

珈琲、湯気


コンビニの

明かり灯る

誰もいない道


読みかけの

本の栞

秋風めくり


ため息と

工場の煙

星に消え


電話機の

受話器そっと

置いた後


靴音だけ

響く石畳

坂道で

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る