六月の花 / 刀

紫陽花や鞘に収まる鈍色の夢


刀身の露研ぎ澄まする夏の朝


花菖蒲揺れるはざまに秘めた刃


水の面に映る蛍と刀傷


錆びし刃紫陽花の影に眠りけり


菖蒲田を渡る風音刀を呼ぶ


抜き身にはためく緑夏の花


雨上がり刀は月を待ちわびる


刀身に映る万華鏡、梅雨の庭

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