第10話 またしても朝議

「これより、朝議を行う。今回の議題は、明煌様の直属部下についての話だ。」

「なんと!ようやく直属の部下をお決めになるのですね!」

「おぉ。これは何たる僥倖か。」

、、、見てて思ったけど、コイツら自分が絶対に選ばれると思ってやがるな。あっ、将慧のやつ震えてる。緊張してんのかな。いや、なんか”ぐふっ”って声聞こえた。笑ってんのかな。やっぱり顔に出るから、わかりやすな。

「皆のもの口を閉ざさぬか!明煌様が勅命なさるぞ。」

シーン、、、

すごいな、みんなの目がキラキラ通り越してギラギラしてる。少し怖いぞ。餌を前にした犬みたい。いや、犬に失礼だな。犬さんごめんなさい。さてと、皇帝モードでやってやるぞ。

「勅命しよう。俺の直属部下となるのは、、、。文官、将慧である。」

ザワザワ

やっぱりこうなるよね〜。すんごい反論したそう。でも、一回きにしないで進めよう。

「将慧、前へ。」

「はっ!」

よし。ここまできたら、反論するやつをめたんこにしちゃおう作戦開始だ。

「我は、直属部下に将慧を選ぶ。なにか異論のあるものは名乗りを上げよ!」

ためらってやがるな。それもそうか、名乗りを上げるってことは、俺を否定するってことと同義だからな。あっ、なんかいいそうなやついる。

「誠に恐れながら、皇帝よ!なぜそのような平民を選び、私達のような華族を選ばないのですか!」

「そうです!なぜ華族の私より、平民の此奴なのですか!」

「平民よりも我らのほうが、貴方様のお役に立てることでしょう!」

すごいなー。なんかもう関心しちゃうかも。っていうか、本当に”なぜ華族の私より、平民の此奴なのですか!”って言ったやついた!!本当に言うやついるんだ。やべ、こんな事考えている場合じゃないんだった。

「そうか。なぜ貴様らは、自分のほうが有能だと言えるのだ?証拠はあるのか。」

「もちろんございます!私は華族のうまれであり、家柄も良いです。しかも、文官のものをまとめる役を仰せつかっております。そのため、このような平民よりも有能と言えましょう!」

まじか、こいつ。結局、有能なのか無能なのかがよくわからなくなってやがるぞ。家柄とか役職とかで能力が決まるわけでもないし、、、。周りの奴らも、うんうん首振ったり、なんか納得してるし。コイツらの鼻っぱし折るには、なにが有効かな〜。あっ、閃いたかも。こいつと将慧がバトれば良いんじゃないのか!

「お前の言い分はよくわかった。しかし、それではどちらが本当に有能かわからぬ。そこで、一つ余興をしよう。」

「余興でございますか。」

「あぁ、そこにいる文官と将慧で能力対決をしてみよ。さすれば、どちらが本当に有能か、わかるであろう?」

「それは良い考えですね、明煌様。」

「ふっ、将慧もそう思うか。」

「はい、もちろんでございます。して、対決法はいかが致しましょう。」

やば、そこまで考えてなかった。そうだなぁ、せっかくなら面白いのが良いしな。うん、囲碁にしようかな。それなら頭使うし良いかも。作戦とか戦略とかの能力差が如実に見えるし。

「対決法は、囲碁勝負とする。一発勝負で、もし将慧が負けたら、お前を俺の直属の部下にしてやろう。しかし、将慧が勝ったら、一切の反論を認めん。良いな。」

「承知いたしました。必ず勝利を掴んでみせましょう。」

「御意。私が勝ったら、本当に直属にしてくれるのですね。待ったはなしでございますよ。」

「あぁ、期待していよう。」

とりあえずまとまったかな。勢いで言っちゃたけどまぁ、将慧なら万が一、いや億にも一で負けることはないだろう。頑張ってくれよ〜、でも、もしも将慧が負けたらって考えると心配だな〜。結果は神のみぞ知るだな。いや、青龍が知るか。ここ青龍が神様みたいなもんだし。うぅ〜ん、どっちでも良いな。とりあえずどっちに転んでも良いように考えとかないと。勝ったら作戦どうりに、負けたら、、、。その場のノリと勢いで行こう。そうしよう。問題先送りしてるだけな感じが否めないけど、良いでしょ!

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