第8話 炭酸飲料
カレーを食べると同時に、飲み物として炭酸飲料水を購入する。
異世界では、絶対に飲むことが出来ない炭酸飲料水。
もちろん無限アイテムボックスがあるので500mlの24本入りを指定して購入。
すぐに段ボールに入った炭酸飲料が目の前に出現する。
カレーを食べながら、炭酸飲料水を飲む。
「プハァ! うめええええ。冷えてはいないが! マジでうまい! くーっ! マジで! 日本に住んでいた頃は何も感じなかったけど、異世界で14年近く転生後に暮らしてきたから、炭酸が五臓六腑に染み込む! くそっ! 涙が出てきやがる! うますぎる! 反則だろ!」
追加で、もう一本開けて炭酸飲料水を飲む。
やっぱり旨い!
「カズヤ。私も飲む!」
「ティアも?」
コクコクと頷くティア。
エルフは、炭酸飲料水を飲めるのか?
「分かった」
炭酸飲料水の入ったペットボトルを渡すとティアは受け取ったあと、キャップを器用に回して炭酸飲料水を飲み始めた。
俺のキャップの開け方を見て学んだのだろうか?
判断はつきかねるが。
「ど、どうだ?」
「おいしいの」
「そ、そっか。それはよかった」
「えへへ」
何だろうか? 屈託ない表情で俺を見てくる、この可愛い生き物は。
娘を持つ親の心境というのは、こういうものかも知れない。
しかし、やっぱり炭酸飲料水とカレーの相性は抜群だな。
カレーと炭酸飲料で朝食という名の昼飯を食べ終えたあとは、壁に溜まった埃も雑巾で綺麗にしていく。
本当、人が住まなくなった家は、汚れるのも一際酷い。
食事を摂ったあとは、使ったお鍋、レトルトのゴミやこの世界にないモノを全てアイテムボックスへと収納した。
「カズヤ、おいしかったの」
椅子に座ったティアがお腹を摩りながら答えてくる。
それにしても5人前食べるとは、エルフは小食と聞いていたがティアだけは大食漢らしい。
「それは良かった」
「眠くなってきたの」
「お昼寝もいいかも知れないな。寝てきなさい」
「はーい」
ティアが寝室へと向かう。
その後ろ姿を見送ったあと、俺は、腕に撒いておいた腕時計を見る。
それは『通販』スキルで購入した1000円のデジタル腕時計。
「そろそろ昼を過ぎた頃か……」
大まかな時間設定で腕時計の時間を設定したから、プラスマイナス1時間から2時間ほど誤差はあるだろうが、何もないよりはいい。
そもそも時間通り動くためには時計は欠かせないから、本当に助かる。
まぁ、一応は、この異世界でも時計台というのがあるが、それは王都などの一部の大きな町か、帝政国などアルゴ王国の数十倍は国力がある国に限られる。
一応は、そう冒険者ギルドにいたときに聞いた。
つまり、この異世界は時間にとてもルーズなのだ。
それでも日が昇ると同時に仕事をして日が落ちたら寝るという不文律はあるので、そこらへんは江戸時代と大差はない。
夜に起きていようとすると、子爵家以上の貴族ですら使用を考える蜜蝋を使うことになるからな。
なので、基本的には、夜の帳が落ちたら寝る事が基本なのだ。
家を出た後は、『俺だけが入れるダンジョン』の元へと向かう。
ダンジョン前に到着したところで、森の茂みに隠れながら近づくと、台車に薬草をたんまりと乗せて縄で縛った上で、
「それじゃ行商人が待っているだろうから急ぐぞ!」
――と、村長のイルルクが村の人たちに声をかけて台車を押して移動を始めた。
俺が異世界に転移してきてから3年後の3歳。
好奇心から『俺しか入れないダンジョン』を見つけて以降、ずっと大量の薬草をゲットしては、村長をはじめとした村の人たちが薬草取引を俺の代わりに行商人と行っていたので、台車はゆっくりと着実に移動を始めた。
俺は、その後ろ姿を見送ったあと、『俺しか入れないダンジョン』で、追加の薬草採取に励むことにする。
そして、ランタンも使い夜の帳が落ちるギリギリまで作業をしたところで、1500近くの薬草の束を宝箱から集めることが出来た。
全部、換金すれば1500万円だな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます