第37話 実験体



部長の自己紹介が終わった後、僕は申請書を書かされ、すぐさま提出させられた。先生に提出した時に『…お前マジか…あそこ行くのか…まあ頑張れ』みたいな目で見られた。僕だって本意じゃ無いのに…



「それじゃあ蓮君。早速だが、やって貰いたい事がある」


「やって貰いたい事って、僕は何をするんですか?そもそも、この部活は何をしてるんですか?」


「おや?説明して無かったかい?ここロマン実現部では、『部長』つまり僕の考えるロマンを部員と僕が頑張って実現する。それがこの部活の活動方針だよ」


「…部長の夢見る物は?」


「よくぞ聞いてくれた!僕はね、魔術にロマンを感じるんだ。二十年前までは存在しないとされていた物、それが今では無くてはならない程世間に浸透している。だが、今だ魔術に関して分かっていない事だらけだ。話は逸れるが、僕達の研究結果について教えよう。


僕達、ロマン実現部では、魔術に関して研究している。前の部長が引退してからだから…去年の夏ぐらいからかな?その夏から研究を始めて冬になった辺りかな?

魔術を使う時、脳は指向性を持たせる事に魔術の為に使えるメモリーの80%を使用している事を発見したのは。この80と言う数字は、広域型、視線誘導タイプの追尾型、直線型によって少し違うけどね。要は、魔術関係の脳のメモリーの大半は指向性を持たせる為に使われている。考えてみれば当然かもしれないね。人は四肢を介さず物体を飛翔させる事に慣れて無いんだから。


長々と語ってしまったが、要は魔術を使う場合、指向性を持たせる事が大変だから、それをサポート出来る物を作ろうと思った。っていう認識で良いから。


そこで作ったのが、これだ」


 この汚い部室で唯一綺麗にされていて、部屋の様子から浮いていた布を部長が取る。そこから現れたのは……


「拳銃?」


スリムな感じのデザインセンスが良いなと感じる拳銃だった。


「この拳銃はモンスターの素材を使って作っていてね。頑丈で近接戦の最終手段にも使えて、のだが、主な使用用途は、先述した魔術の指向性を持たせる事だ。これを使えば本来、『並列思考』の様な特殊な固有持ちと、天才しか使えなかった。魔術の複数展開が可能になるんだ。ここだけ聞くととてもいい事なんだが、一つだけ欠点があってね。


銃のグリップ部分を見て貰ったら分かるけど、これには、魔法陣が刻んであってね。この魔法陣のおかげで魔術の指向性を持たせる事が出来る訳だけど、凄く魔力が必要になるんだ。具体的には本来の魔術起動に必要な魔力量が100倍になる。つまり、Sランクの魔術を使おうと思ったら、50000の100倍の5000000の魔力が必要になる。馬鹿らしいよね?でも君には、『魔力無限』と言う固有がある。これによって君は、メリットだけを矜持出来る訳だ。君が使った場合、最大で10の魔術を同時に展開できる。どうだい?魅力的だとは思わないか?」


な…長い。出来れば、三行でまとめて欲しい。


「今の時代、魔術師は不遇だからね。『一部の上位層』以外の魔術師を雇うぐらいなら、物理系の固有持ちと一緒に裂け目攻略した方が良い。そんな状況さ。

君も『一部の上位層』の一人な訳だが…魔術師全体の為だ協力してくれるよね?」


「高尚な理由を語ったが、結局は私のロマンの為だ。僕はね救えないレベルのロマンを追求する人間なんだよ。弾幕はロマンだろう?様々な色を発する魔術が無数に飛び交う。想像しただけで綺麗だとは思わないかい?そんな訳で、実験体君。頑張ってくれよ!!!あっ!使った後に、どんな感じだったかデータ頂戴ね」


この人、実験体って隠さなくなってるよね?

本当にこの部活で大丈夫なのだろうか…


僕は、再度後悔した。

だが今更だった。


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