第20話 固有の覚醒



〈明空睦月視点〉



金属と金属がぶつかり合う甲高い音が聞こえる


キン!


今度は先ほどよりも大きな音だ


キーン!!



俺は今、目の前の敵を攻めあぐねていた

剣の腕は俺の方が遥かにいい、だが剣自体の質はあちらの方が数段上だ

こちらは学園から支給された量産品対して、あちらはおそらく固有で生み出した剣だ

まともに受けると数回で俺の剣が壊れるので、慎重に立ち回らなくてはならない。

そのせいで、決定打になる様な攻撃を当てられないのだ。

そうなると必然時間がかかる。今回は、できるだけ生け捕りが望ましいのも、俺が攻めあぐねている要因だ


ギンッ!


チャンスだと思い攻撃したが受け止められた



その事に苛立ちを覚えるが、このままでは駄目なので自問自答をする。

これをすると落ち着くので、昔から困った事がある時にする様にしている。



ブン!


彰吾に避けられ剣が空振る



そもそも、何故こいつを生け捕りにしようと思った?

情報が抜き取れる可能性があるからだ


ポキッ


とうとう、彰吾の剣を受け流せなくなり、剣が折れる



何故…何故こんな奴にここまで時間がかかる?

俺が弱いから



ブシュッ


彰吾の剣が俺の腕を浅く切る








あぁ…もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと

圧倒的な力が欲しい!






その瞬間、自分の中に新しい…いや眠っていた力が覚醒したのを感じる

これが双葉の言っていた覚醒、俺の固有の本来の力!


どうやって使えばいいのかが、手に取るようにわかる!その力を自覚した瞬間、試しに使ってみたくなった。今の俺はハイになっているのだろう。変な思考が頭をよぎる

あぁ、こんな所にいるじゃないか、ちょうどいい的彰吾


「受けろよ彰吾。一発で終わったら、腕試しにならん」


睦月が固有を使った瞬間、周囲の音は消え、右手周辺の空間が割れ、一振りの剣が現れる。


「神剣【空切からきり】」




キンッ!!!



ポキッ



金属同士がぶつかった音と共に、スローモーションのような速度で

彰吾の体が剣筋に沿って左から右へ削れて行く

そして、次の瞬間には、俺の目の前には両断された彰吾の死体があった


ゴフッ


彰吾が吐血する


改めて、彰吾を観察する

彰吾の骨も、肉も、折れた剣の持ち手側も、きれいに切れていた

初めて本来の力を使ったせいで、疲労でぶっ倒れそうだ

その場で横になると、抗いがたい眠気が襲ってきた

俺は起きた時、死んでない事を祈りつつ眠りについた。







その場には、勝利し疲労で寝た少年と、両断された死体

その少年に折られ、地面に突き刺さった剣の剣先だけが残された





〈一之瀬双葉視点〉


俺はどうすれば良いか分からずにいた

視界の端の方の蓮は、後ろから刺されているので

助けに行きたい。…が、さっきから睦月の方の戦闘音がしない


もし睦月もやられているんだとしたら、二人を庇いながらの戦闘だと少しまずい

今は取り合えず蓮の方に行こうにも、相手の女の妨害が面倒で行けない


「焦ってるんじゃない?

私は耐えながら仲間が勝つことを信じて待てばいい。


でも、あなたは、私からの反撃の警戒、他の戦況の確認、

そしてカバーもしないといけない。


ねえ、今この場の主導権を握ってるのはどっちでしょうね?

攻撃されてばかりの私か…早く私と言う駒を落としたくて焦っているあなた

他の視点ではどっちが優勢に見えるのか。あなたは分かる?」



「うるさい…黙ってろ」


腹が立つがこいつの言っていることは正しい

それにこいつ防御するのが異様にうまい

俺は魔力が少ないから魔術の練習はしなかった

そして身体能力だけではこいつを突破できない


俺が結界を何回殴れば壊せるのか探り、一回で壊される事が分かると、壊される前提での立ち回りに変えた。常に俺がいられると困る場所にいる


他の奴らが合流し、三人が相手でも負ける気はないが…戦闘に時間がかかりすぎる

…その場合、俺が勝ったとしても、先に刺された二人は確実に死んでしまう

そうなれば戦闘で勝っても戦略的には大敗だ




俺はこの状況でどうするのが正解なんだ




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