4話 あすか母参入そしてあすかと俺の喧嘩勃発

通話しているとあすかの母が通話に参入する事がよくある。俺はそもそもアスカのお母さんに話に入ってきてもらってもなんとも思ってないのだが、あすかとあすかのお兄さんはちがった。

初めてあすかのお母さんと話したのも鮮明に覚えている。


あすかに電話をかけた直後。

「やっほー!」

聞き覚えのない声だった。あすかの、、、友達?

いや友達がいるとは聞いた覚えがなかったが、、、

というか友達はいないという風に聞いていたからこそ

親戚でも遊びに来てるんだなと思い、それならフレンドリーに返そうとおもった。

「やっほー!」

俺はそう挨拶を返せば、隣でケタケタと笑うアスカの笑い声が入った。

「ひろくん!分かってる?お母さんだよ??」

「え?!!!!」


俺は即座に正座になった。電話越しから俺は頭を下げて

「すみませんでしたぁぁぁあ!!!親戚かだれかかと、、、てっきり・・・」

タメ口で話した事への謝罪をするとあすかのお母さんは笑っていた。

「いいんよ!全然!タメ口で話たらええやん?」

「いえ!お母さん相手にタメ口は、、、さすがに、、

ご挨拶遅れてすみません、、、付き合わせて貰ってるひろと言います。」

オドオドしながら人見知り発動する俺に、気さくに話しかけてくれるあすかのお母さんの姿があった。

それがあすかのお母さんと初めて話した事だった。


あすかの家では、一家団欒して食卓を囲んでいるらしく、その時にあすかよりも先にお母さんの方が

「いやーほんとにひろくんはいい子やでー」

お義母さんは嬉しそうに話をあすかのお父さんに話していた。

それを聞いたあすかはムッとする。

「私の彼氏!まるで自分の彼氏みたいに言うのやめてくれん?」

「いやーだってさ、私が話しかけてもちゃんと話してくれるんやで」

「迷惑なるからやめたれ、、、」

あすかのお兄さんがすかさずつっこんだ。

あすかのお兄さんとも会話をした事があるし、連絡先も知っている。

俺の誕生日プレゼントにと、ニカルフィのフィギュアをクレーンゲームで取ってくれた人だ。お兄さんの方が良い人だと思うのだが、、、


俺はアスカ家から良い印象として広まりつつあったが、

俺には悩んでいた事があった、それは


【あすかは俺に本音や本心を話す時は大概泣きながらだった】事に対してである。


それは元カレから長年押さえつけられた言葉により

自分をからだろう。


俺と本音や本心を打ち明ける時、彼女は嫌われたらどうしようという不安や心配が大きかったらしく、よく泣きながら俺に訴えかけて来た。


最初、全然この子…本音や本心を言わないなぁーと思った。言う言葉は決まって「ひろくんが決めてくれたらいいから」「ひろの考えに私は従うから」だった。

それじゃあ、昔の元彼と同様の生活になるし、変わりたいや病気を直したいと言ってるのにも前には進めない。

そんな彼女に俺はずっと口すっぱく同じ言葉を吐き続けた。

「話し合いをした時は、ちゃんとあすかの本心や本音でいってほしい。俺は絶対アスカを嫌いになったりしないから…」


最初はあすかも「(言えるかどうか)難しい」と言っていたが、少しずつ自分の気持ちを優先させて俺に意思表示するようになった。

そんな日数が立っていた時、あすかと俺は初めて口喧嘩をした。


きっかけは2人の今後に着いて話し合っていた時のこと。

俺は同棲生活や結婚生活ついて話していると、あすかの声色が変わった。

「なんか、、、ヒロくんってさ、お金とかも何でもかんでも自分で出そうとか思ってるよな?私がそこにおらんみたいやん??」

俺は首を傾げた。


2人の今後について話をしているのに、なぜあすかが居ないのだろうか?

俺は考えてみるが、俺は1人になったらこうしていきたいではなく、あすかのことを踏まえて生活費について考えているのにも関わらず、なぜあすかが居ないのか?


「いや、あのさ?俺とアスカの生活について話し合ってるんやからさ、一応俺の考えを(先に)述べただけなんやけど・・・」

「だからさぁ、、、ひろくんの考えであって私の考えがないやん?」

何を言ってるんだ?、、、そもそも俺の意見を言っただけで、何故そこにあすかがいないと感じるのか、全く分からない。

頭の中で考えれば、考えるほど、アスカの口調は荒くなってくる。それに釣られるように俺の口調も荒くなりつつあった。

「私には私の考えがあんねん!私がそこにおらんみたいにいわんといて!」

「だーかーらー!!!2人の今後について話し合ってるんやから!おるやろうがい!あすかはよ。」

「おらんて!」

「おんねん」

「は???何言ってんねん!まじで!どこにおんねん!私の意思がないやんか!」

静まり返る中で俺はその空気を割くように彼女に放った。

「そもそも、俺はまだアスカがどうしたいのかこうしたいとか聞いてへんのやけどな??俺の考えはこうですって先に言っただけで、あすかの意思をまだ聞いてへんのやからどうしたいとか分かるわけないやろ!」

舌を巻いてキレた後、言われた言葉に対してあすかは冷静さを取り戻した。


「あ、、、そうやんな?、私まだ何も言ってないや。ごめんね?、、、怒って」

「・・・いや、こっちこそ怒ってごめん、、、」

あすかはこうして行きたいと後から教えてもらったが、

その数分してから、普通にお互い笑っていた。

「いやーwwwだってさ!ひろくんがあすかおるやん!とかいうからこいつ何言うてんねん!とか思ったわ。」

「その後によ!俺がアスカの考えまだ聞いてないとかいった瞬間の2人の落ち着き様よ。マジで笑えるな!www」

「ほんまな!まじで通話切ったろうかなー!って思ってたくらいwww」

俺とアスカの初めての喧嘩は、数分で始まり、数分後には仲直りしていた。


あすかが俺に初めてみせた本音や本心だ。

「こいつ何言うてんねん」とか「マジで通話切ったろうかなと思った」と自分のその時の感情を話すことは少なかった。

キレ口調になってまで自分の意思表示するのは初めての事だったからこそ、俺は通話した後、嬉しかった。

(やっと俺に本音をぶち撒けてくれた!!)


俺はこの時嬉しさが込み上げて来る中でアスカの中で異変が生じ始めていた事に、気づいてなかった。


アスカの中で揺れ動く何かの存在に…

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