フランツ・シューベルトの「魔王」による大奇想曲』作品26

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Heinrichハインツ Wilhelmヴェルヘルム Ernstエルンスト(1814-1865年)


 チェコ生まれのヴァイオリニスト。9歳くらいからヴァイオリンをはじめ、神童と呼ばれる腕があった。パガニーニの演奏旅行に同行し、未出版の作品を聞き覚えで極めて正確に演奏し彼を驚かせた、という逸話を持つ。パガニーニの後継者たちの中で、その魔術的な技巧の域に到達し、時にそれを凌ぎさえしたのは、彼一人であると言われている。気まぐれでむらのある演奏家ではあったが、フランス古典様式奏法の達人でもあった、ベルリオーズやメンデルスゾーンらの作曲家も彼を称賛している。


『フランツ・シューベルトの「魔王」による大奇想曲』作品26。はフランツ・シューベルトが作曲した歌曲「魔王」の編曲である。原曲は、ト短調の変形したロンド形式。ピアノ伴奏は、馬が走る疾走感と、魔王が忍び寄る不気味な雰囲気を醸し出す。歌手は魔王、父親、子どもという三役をこなすことになるが、転調を繰り返すことで、その場の緊張感を表現している作品でもある。

 この曲は、様々な作曲家たちに編曲され、エルンストの他にリストがピアノ独奏用などに編曲していることで有名である。エルンスト編曲の大奇想曲は、ヴァイオリン技巧の頂点の典型を示すものでもある。




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