【𝕏にてイラスト連動】triangle -隣に友情、後ろに殺意-

さくらぎ

prologue

よく人が死ぬ学校

「ずっと休みが続いていた田中くんですが、お父様の仕事の都合で転校することになりました。クラスの皆さんに直接ご挨拶したかったと思いますが、急に決まったようで既に引っ越しも済まされているとのことです」


 朝のホームルーム。担任の小手川キミコ先生が田中くんの転校を事務的に、淡々と告げた。


 違う。挨拶をしたくても田中くんは挨拶できない。だってもうこの世にいないのだから。

 日々野ひびのマナはもう何度目だろうか、と思いながら横にいるクラスメイトの田部たなべミオに視線を向けた。ミオも同じようにこちらを見ている。


 。自殺もあれば他殺もある。特に死体が教師や生徒など学校関係者に目撃されていない場合は、このように転校といった言葉で片付けられる。


 マナとミオ。そして隣のクラスにいる木村きむらアイカ。この三人は、そういったたくさんの死に幾度となく直面し、そしてそれらの死に隠された真実に幾度となく向き合ってきた。


 卒業までの残り一年半。あと、どれだけの死と向き合っていかなければならないのか。マナは小手川先生に視線を戻しながら、誰にも悟られないよう深く息をついた。

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