第2話 神々しいおじいさんが現れた!

 「あれ、なんだ? …痛い? …………痛い痛い痛い痛い痛い。」

 「へへへ。 残念だったな。 手に握りしめてる物は頂くぜ。」


 どうやら俺は後ろから刃物で刺されたらしい。 その場に倒れ込んでしまった。 嫌な事に刺しっぱなしではなく、包丁をすでに抜いている為、血が溢れ出す。 


 「……って! てめぇが当たったの二等の十万円分の商品券じゃねぇのかよ! くそ!」


 犯人は俺の大切なカップラーメン一年分の引換券を踏みつけ始める。


 「て、てめぇ、それは俺の、俺の人生の幸せの一部だ…ぐふっ…ぞ。」


 どうやら傷は内臓までいってるみたいだ。 口からも血がだんだんと溢れ出す。 物凄く喋りづらい。 俺は引換券を取り戻す為、力を振り絞って犯人の足首を掴んで、なんとか足をどかそうとした。


 「ははっ! なんだよ! 命よりもカップラーメンが大事なのかよ笑」

 「かふぇせ、かえぇせ!」

 「しつけえな!」


 犯人が片足をあげ、俺の顔を蹴ろうとする。 今だ!


 「ドガッ」

 

 俺は犯人の軸足に頭突きをした。 その瞬間、犯人はバランスを崩し、よろけた。 そして、引換券を取り戻した。 もうどこにもいかないように、両手でしっかりと握りしめた。


 「てめぇ…。 もう許さねえ。」


 俺は滅多刺しにされ、さらに血が溢れ出す。

 犯人のその言葉以降、だんだんと意識が遠のく。そして俺の周りに広がっていく血の景色。 あぁ、これ全部俺の血か。 死ぬんだ。


 死ぬ事を悟った瞬間、真っ白な世界に切り替わり、広がっていた血が緑色に変わった。 え? どういう事? よくある異世界転生ってやつ?!


 緑色に変わった血が、光を発しながら俺の体に戻っていく。 そしてその瞬間、目の前に神々しいおじいさんが現れた!



 【残りのカップラーメン数】 0個(365個入荷予定)





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 読んでくださり、ありがとうございます。 感想、評価をしてくださるととても有難いです。 皆様の評価をもとに、作品をよりよくしていきます! まだまだペーペーですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

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