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2月になって 彼から手紙がきた。ときめいて開けてみると、お正月には会えなくて残念でしたと、あっさり書かれていた。私は、あんなに 会いたいと焦がれていたのに・・・そんなもんなのかなー・・・。夜の浜で、熱く 抱きしめてくれたのは何だったの! 遊び半分だったのかしらー
静岡の住所が書いてあったので、私は 迷いながらも返事を出すことにした。あんまり ガツガツして 彼が遊び半分であんなこと言ってくれたのだったとしたら、退かれてしまうかもと 不安もあったのだけど・・・
会いたいし、もう 一度抱きしめて欲しい。忘れません、毎日 あなたのことを想っていますと、自分でも恥ずかしくなるくらいの熱烈な気持ちを書いて送ったのだ。彼からも (真美のやさしい笑顔は忘れてないよ 会いたいけど、今は就活の準備でバタバタしているけど折を見て会いに行く) 返事が来た。
私は、良かった 忘れられて無いんだと・・・ルンルン気分で 何度か手紙でやり取りをして、それとなく 春休みになったら、海と富士山を一度見たいので、静岡に会いに行くと書いていた。お泊りしても良いと、この時、私は 彼に投げうってもいいと決心していた。私の全てを・・・奪ってぇー・・・。そして、中途半端な私のを・・・奪われた私の大切な思い出・・・でも、彼を最初の男の人と思うことにしようと決めていたのだ。そういう 甘い想い出にしたい。
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー
「真美 この頃 ちょこちょこ ガクさんと手紙やり取りしてるんか?」
「うん 時々ね 彼 ウチのこと忘れてへんってー」
「ふ~ん 繋がったんやー しぶといなぁー でも 立石さんのこと どーすんのん?」
「どーするってー 普通やー」
「普通ってなぁー 真美はのんびりしてるんやからーあ⤴ 彼はもう 卒業やろー まわりには、卒業したら真美と 正式に付き合うとゆうてるんやでー」
「そんなぁー ウチ そんなん ゆうてへんでーぇー」
「でも その気にさせてるんやー ほんまにーぃ 真美は・・・ ミマさんともウワサあったみたいやなー」
「・・・ ウチ そんなつもり・・・」
「そーいう 優柔不断なんて 魔性の女やぁー でも 立石さんとは はっきりしときやー 向こうはその気 満々なんやからなー」
「そーなんよー 直ぐにでも 結婚するみたいに言うでくるしー あのね ウチ等 卒業したら 二人して 美容学校に行って、二人でお店開こうって 話してたやんかー」
「だよ 夢やー」
「だから ウチ・・・しばらくは 結婚する気 無いしー」
「だからぁー そのことは ハッキリと相手に伝えときやー それに、結婚対象違うってことも・・・本命は ガクさんなんやろーぅ?」
「うっ うん・・・」
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