第20話 もう王城内でやれることは無くなった?
そんなこんなで、魔術・魔法に関しての講義は基本は聞いているフリで、部屋に戻ってからクロ先生の独自講義が続いた。
講義がある程度進んだので、実践形式で魔術で的あてみたいなのもやってみたけど、クロから教わった方法を実践をして無事に発動もすることが出来た。
講義もしてくれた他国の先生からもお褒めの言葉を頂いたけど、あなたから教わったのじゃなくて、全部クロのおかげなんですよって、ちょっとだけ申し訳無さもあった。
それから3ヶ月、最初は相手にならなかった騎士や兵士達の実力は超えて、先日はファンライズ最強である騎士団長との模擬戦でも圧勝をしてしまった。
手加減をして実力を低く見せるんじゃなかったのか?って話だったけど、結果として3ヶ月目でのファンライズ最強撃破だった。
正直な話、先月くらいには騎士団長にも勝てるだけの実力があったと思う。
もっと、情報収集の為にも時間稼ぎした方が良いのでは思っていたけど、
「これ以上の手加減はもう無意味というか、ワタルとこの国の戦力差が乖離し過ぎたにゃ。
ワタル自身は意識をしていないと思うけど、ちょっと舐めプをし始めているにゃ。
舐めプの雰囲気が見えてしまうと、実力を偽るとかの問題じゃなくなってしまうにゃ。
それに、ワタルの修行にも良くないにゃ。
舐めプが当たり前になると、本当にヤバい時に真の実力も発揮できなるにゃ。
ワタル自身にデバフ系の魔術をかけるのも考えたけど、今が急成長中のワタルに常時デバフは技術・経験の方面で悪影響が出る可能性も高いにゃ。
魔王国への出発をできる限り遅らせる方法は別途考えるにゃ。
だから、とりあえず手加減は解除して良いにゃ。」
ということで、方針転換をすることになった。
俺の成長速度はクロの想定も超えてしまったようだ。
あ、こういう認識が舐めプに繋がってしまうのかもしれないな、気をつけないと。
手加減を解除をしてしまったらサクサクと騎士団長との模擬戦をという段取りまで進むことになり、その模擬戦も接戦による辛勝ではなく、初めての模擬戦で圧勝をしてしまった。
あ、魔術師団長にも勿論圧勝です。
せっかく、クロと一緒に俺のオリジナル魔法・魔術も作ったのに、基礎的な魔術を色々と試していただけで、魔術師団長は降参をしてしまった。
なんとか、魔術師団内の再編が落ち着いて顔を出したと思ったら、勇者にボコボコにされるのは、なんとも可哀想に思えて来た。
また、各国独自の技術や魔術もクロから見れば特段に珍しいものでもないとのこと。
特に魔術に関しては基礎的な魔術と同じ様に欠陥があるし、俺の魔力量があれば、魔法で苦も無く再現できるらしい。
ただ、その国の技術・魔術に至るアイデアは、その国の歴史から起因をしていたりと、むしろそちらの話が面白くなり、ほとんど雑談で時間が過ぎていく日も多かった。
さて、ここからどうするのかと思っていたら、今度は魔王国との国境沿いで実際に魔物を倒す訓練をするらしい。
実はこれは日程的にはこの時期にそろそろ魔物との実践をって普通に訓練のプランに組み込まれていたらしい。
だから、騎士団長や魔術師団長との模擬戦に圧勝とは無関係だったのだ。
まぁ、実際にここでの修行で出来ることは、クロからの指導以外は無くなったの、ちょど良い機会ということだ。
それにクロからも、
「そろそろ、実戦を経験するのは良いことにゃ。
向こうの世界で生き物を殺すということは、ほとんど経験がないにゃ。
あっても、虫を殺す、魚を締める程度にゃ。
異世界転移でそういう精神もタフになりやすくはなっているけど、実際に心を鍛える実戦は大事にゃ。」
という、お墨付きを頂いた。
まぁ、唯一、俺の魔物退治の実戦を拒んだのは、エステルである。
エステルへの塩対応は原則変えずにいており、俺が魔王国との国境へ行ってしまえば、エステルは俺に何も出来なくなるので、拒むのは当然であった。
ならばと、前線への慰問という形で、俺に同行をしようとしたが、仮にも一国の王女様。
慰問をおこなうにしても、最前線での警備関係やら彼女自身のスケジュールの管理もあり、すぐに俺と同行をするというのは認められなかった。
まぁ、王様や宰相が上手くやってくれたのもあるが、普通に考えれば来賓扱いとはいえ修行中の勇者と王位継承権持ちの王女様では扱いが違って当たり前。
というわけで、魔物との実戦訓練に向けて、王城を出発することになった。
勿論、クロも俺と一緒に向かっている。
俺がこちらの世界に召喚をされてから、ずっと一緒にいるので誰も止めなかった。
もしかしたら、王様達がクロには触れないようにお達しでも出したのかもしれない。
王様達との会談のときに、クロがビビらせ過ぎたのかもな。
そういえば、異世界に来てから王城からのお出かけは初である。
自分でも、よく3ヶ月も王城にこもっていられたと思うわ。
せっかく外に出られたのだから、異世界を楽しめたらなって思ってきた。
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