第3話

沼だった

「やっべーどうしよう」

「ゴブリンに調べさせましょう」

アルテミスがそう言うので、

操作パネルでゴブリン1匹を大きな手で摘む、ダンジョンの入口から外に投げる。

操作パネルに憑依と言うボタンがあったので使って今放り投げたやつに憑依してみた。

幸い浅い場所だったらしく、抜けるのは難しく無さそうだ。歩きにくい。

沼を抜け外から塔をみる3階建てになっている鋼鉄の塔だ。塔の基部は半球状の石になっている。重心が低そうだ。

しかし当然重い訳で。よくアルテミスだけでこれ迄浮かべられていたな。しばらく周りを散歩していたら。一本矢を受けて死んじゃった。


操作室に帰っって来た。そこにはアルテミスがいた。

「お帰りなさいませご主人様」

「なんかご機嫌だね」

「ゴブリンが死んで良かった」

「おう」

どうやら憑依が解けて帰ってきたようだ。

それより

「矢に刺さって死んじゃったんだけど冒険者か何かかな」

「殺して見れば分かるんじゃないでしょうか」

「えらく殺伐としてるね」

「ダンジョンの生成した生き物だから本能か何かじゃないでしょうか」

なるほど。

「ダンジョンに入って来るまで手だししない」


しばらく操作室のモニターを見ていたけど入って来ず去ってしまった。


丁度いいのでゴブリン達に直接会ってみる。

「危険なので手を操作する許可をください侵入者だと勘違いされかねません」


というので許可した。

ちなみにこの塔3段ケーキ見たいな構造で操作室のある3階はダンジョンマスター用生活空間で2階の屋上を庭園にした構造だ。


おおよそだけど

3階直径10m

2階直径20m

1階直径30m

塔の1階ごとの高さは10m程度だ。


土台の上半分平な、半球の石直径50m高さ25m

デカイ。よくこんな物エルフさん1人の魔力で持たせてたな。


「おそらくですが前のダンジョンマスターさんの持ち出しだったんじゃないでしょうか」

なるほどね。今のダンジョンをずっと浮かべる魔力はこのエルフさんが出せる1.2倍程度。

この子すごくない?このダンジョンには魔力を貯める装置みたいなのがあるらしく。貯めて飛ぶ感じだ。魔力の使い道は沢山あるし、常に浮かんでるのはちょっともったいない気がする。しかし宙に浮かぶ塔にはロマンがある。

「アルテミス並のエルフってどのくらいコストがかかるんだろう?」

操作パネルで調べてみる。


わーお高い。

素材にハイエルフが必要とか書いてある。

おい!

金塊1kg魔石1トン肉10トン骨10トンデーモンの血10トン必要だそうな。

もしかしてこれハイエルフをデチューンしただけ?




とりあえずゴブリンと会った。後ろに大きな手を控えつつ。

「今日から俺がダンジョンマスターだ従え」

「「ぐギャぐぎゃぎゃあー」」

俺じゃなくて後ろの巨大な手に怯えてる感じ。あーそりゃそうなるよね。

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