第23話 少年の夢
「レン、お前は将来の夢とかあるのか?」
無言で少し気まずくなったので何気なし聞いてみる。
レンは、少し考えこみ口を開く。
「僕の将来の夢は、ヘイズみたいに強くて誰かを助けられるかっこいい人になること!」
その夢を聞き俺は、何とも言えない気持ちになる。
この、夢見てる少年に何て声をかけるべきなのだろうか…。
レンは、目を輝かせて俺を見つめる。
一切、曇りのない純粋で綺麗な目だ…。
「そうか、いい夢だ!」
俺は、笑ってそう言った。
「でしょ!」
「でも、そんなすごい人なるには大変だぞ!勉強とかいっぱいしなきゃダメだぞ!」
「絶対に叶えたいから頑張る!」
「俺も、応援してるな!」
「うん!」
□□□
目の前には、白衣を着た医者の先生。
俺は、診察室にいた。
「霧島タツキさんですね。傷口は順調に回復してます。もう少しで退院できると思います。それまで、ちゃんとベッドで安静にしててね」
先生は、診察してそう言った。
どうやら、もう治りかけてるらしい。
「ありがとうございます」
そう言って、俺は診察室を出る。
診察室を出ると、真昼間にもかかわらずユイの親父がスーツ姿で診察室前のソファーに座っていた。
「どうしたんですか、おじさん」
「おお、タツキくん!体の調子はどうかね?」
「もうすぐで治ると、先生から」
「そうかね、よかったよかった。家も、ユイと俺二人きりで寂しいから早く帰ってきて欲しいよ!」
「なるべく早く治しますね」
「頼んだよ。ユイも家でずっと静かで元気がないんだよ…」
ユイ…。
俺を心配してくれてるんだな。
「早く戻るって伝えておいてください!」
「分かったよ」
ユイの親父は、相変わらず優しいな。
俺の親が亡くなってから引き取ってくれて育ての親みたいな感覚だ。
正直、この人には頭が上がらない。
「それで、君にちょっと聞きたいことがあり今日は病院に来た。ちょっと場所を移そう」
連れてこられたのは、人気のない病院の第二駐車場。
「どうしたんですか?おじさん」
「この前、君に誰に撃たれたか聞いただろう?それが、撃ったやつと思わしき人物が街の防犯カメラに映ってたんだよ」
そう言って、ユイの親父はタブレットを取り出し映像を流した。
その映像には、俺を撃った監視役と思われる大柄な男が銃を握りしめて走っている姿があった。
コイツだ!
俺を撃ったやつは!
「多分、コイツです!」
俺は、大きな声でそう伝えた。
「やっぱりそうだったか!コイツは、闇バイト取り仕切ってる業界では有名なやつでな、今行方を追っている。また何かあったら来るよ!じゃあお大事に!」
そう言い残して、ユイの親父は急いで帰ってしまった。
もう、警察見つけたのか。
やっぱり、仕事が早いな!
ん、待てよ。
俺は、ヘイズスーツの状態で撃たれた。
そいつが、捕まったら高校生なんか撃ってない、ヘイズを撃ったと供述するだろう。
俺=ヘイズという式が成り立つ。
ヤバいんじゃね。
これは、警察より先に何とかしないとな…。
まずは、ミナミに相談か…。
でも、また早く治せとか言われるだけか…。
先のことを考えると頭が痛い…。
病室に戻るか…。
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