第20話 緑丘区高校生銃撃事件

「え、なんでお前が!?てか、学校は!?」

「学校よりも、監視対象の監視の方が優先に決まってるでしょ」


ミナミは淡々と話す。


「てかなんで、俺の意識が回復したこと知ってんだよ」

「さっき、月嶋さんに聞いたから。だから、早退してきたわけ。せっかく、人がお見舞いに来たのにありがとうもないの?」

「ありがとう…。俺、しくじってしまったよ…」

「そう、その件について話に来たの…。ここだと、隣の人に聞こえちゃうから場所を変えましょう」


俺たちは、病室を出て売店前の長椅子とテレビが置いてある場所に腰を落ち着けた。


「はい、オレンジジュースでよかった?」

「ああ、ありがとう」


ミナミから缶のオレンジジュースを受け取る。

そして俺は、すぐさまあけて飲んだ。

久しぶりのジュースだ。

オレンジの風味が喉に染み渡った。


「美味いな!久しぶりのジュース!」

「よかった。で、体の調子はどう?」

「撃たれたときは焼けるような痛みだったが、その時に比べればだいぶいい感じだ」

「なるほど、じゃあとりあえずテレビのニュースでも見ましょうか」


テレビ?

なんで、急に?


『先日発生した、緑丘区高校生銃撃事件の犯人はいまだに見つかっておらず犯人の目星もたっていません。警視庁は、今日にも捜査本部を開き本格的な捜査に踏み切る予定です。また、目撃者の証言によりますと現場近くに例の黒いヒーローの姿があったと証言しています』


「えええ!?こんな重大事件になってんのか!?」

「そう、霧島さんは寝ていて気づかなかっただろうけどその日は、ニュース速報で入ってきて今や高校生銃撃事件のニュースでいっぱい」

「確かに、よく考えたら高校生が道端で銃撃されてるんだよな。当たり前か…」


だから、ユイの親父もあんなに…。


「問題は、ここから。現場で霧島さんが撃たれて倒れてる姿があって、同時にヘイズの目撃情報もある。そして、霧島さんが入院してる間ヘイズは現れない。どうなると思う?」

「え…やばくね?」

「うん、やばい」


俺と、ミナミは顔を合わせて悟った。


「で、当日何して撃たれたわけ?」

「いつも通り、腕時計に悪意反応があったから犯行予測場所に向かって、強盗事件を防いだら監視役みたいなやつに撃たれてそのまま記憶がないって感じだな…」

「スーツで身体能力強化されてるのに避けれなかったの?」

「まあな…」


ミナミは、ジト目で俺を見つめてくる。

何か疑ってる様子だ。


「本当?誰かを庇ったとかじゃなくて?」

「本当、本当」

「闇バイトの大学生に同情して、庇ったとかじゃなくて?」

「え、なんで闇バイトの事件って分かるんだよ」

「当日、霧島さんのことずっと監視してたから」

「え、全部わかってんじゃねーかよ!お前、性格悪いな…」

「監視役なんだから、当たり前でしょ」


ミナミは、真顔で決めゼリフのようにそう言った。


「じゃあ、あの腕時計のランプみたいなのって?」

「そう、霧島さんのSOSを察知して監視する装置」

「ということは…?」

「そう救急車と、警察を呼んだのは私。感謝してよね、念の為この装置つけてなかったら霧島さん今は天国か地獄どっちかよ」

「地獄はないだろ!地獄は!でも、ありがとう。お前のおかげで助かったわ」


俺は、笑ってミナミにそう感謝を伝えた。


「監視対象として当たり前のことをしただけ。じゃあ私用事あるから。お大事に」


そう言ってミナミはささっと立ち去ってしまった。

アイツには助けられたな…。

病室戻るか…。


ガラガラ。


はあ、また寝るか…。


俺は、ベッドに横になって天井を見つめる。

つまらないな…。


隣のカーテンからは何やら動画を見ているような音が聞こえた。

同じ病室の人か?

そういえば、同室の人どんな人なんだろう?


俺は、隣のカーテンの隙間を覗く。

すると、小学生ぐらいの男の子がタブレットで動画を見ながら寝ていた。

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