第一章 間章 戦場の記憶
都市国家ネオ・シエラの中層で、レイ・フィネアが携行していた戦術支援装備群。
通称TACTギア。
これらは都市戦、局地探査、高危険環境下での即応任務を想定して開発された、
高度かつ緻密な支援機器である。
【1】TACT―ARM《タイプⅯ改》
TACT‐ARMは、戦術解析官および前線支援兵の標準装備として開発された、
外骨格式補助腕。
着脱可能な右腕型ユニットで、搭載された戦術支援AIは周囲環境の即時解析、
味方とのリアルタイム通信、簡易兵装の展開補助などを担う。
特に局地戦や構造物内部での戦闘において、迅速な状況把握と判断支援を行う
“現場参謀”として設計されていた。
【2】量子フィールド・モジュレータ
高エネルギー帯の干渉波、空間歪曲、量子構造の破れなど、
一般的なセンサーでは捉えられない“異常構造”を検出する観測装置。
もともとは違法空間転送や次元干渉兵器の監視を目的に開発され、
特殊部隊や探査班に携行されていた。
TACT‐ARMとの併用を前提とした軽量モデルも存在し、
視覚UIを通じて解析情報の即時共有が可能だった。
【3】ナノ群体分析ユニット《Swarm‐Eye》
極小サイズの観測ドローン群を展開し、三次元的な環境解析を行う装置。
災害現場や崩壊構造物内の探索、動的地形のマッピングなどに使用され、
都市警備局の救助班にも標準装備されていた。
1ユニットあたり数百機のドローンで構成されており、
空間スキャンと音響探知を併用してリアルタイムな空間構造を取得可能。
【4】自己修復型インターフェース・デバイス《CIN》
義肢や戦術服に接続し、個人識別、装備管理、
記録端末とのリンクを一元化する中核デバイス。
ナノ構造体による自己修復機能を備え、小破や損傷に対して高い復元能力を持つ。
運用者のバイタル情報や記憶装置との中継機能もあり、
通信遮断下でも最低限の情報連携を維持可能。
【5】量子記録デバイス《Quantum Recorder》
観測、記録、解析用の高精度デバイス。
エネルギー反応、音声、熱量、空間振動などの複数チャンネルをフレーム単位で記録し、
解析装置と連携することで詳細な現象再現が可能。
調査官や現象科学班に支給され、
空間犯罪の証拠記録や異常現象の解析に広く利用されていた。
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