六首目:うらめし廃屋《はいおく》ロープウェイ、ブギ・ウギ踊れや羅刹女《らせつにょ》ベイベ


 おは! こん! ばん! 

 ではでは六首目の解説に参りますよ。ででどん。


 うらめし廃屋はいおくロープウェイ、ブギ・ウギ踊れや羅刹女らせつにょベイベ


 これは……。……解説していきますね。

 まず、「うらめし」はそのまんま、うらめしや。

 死者からの嘆きと怨嗟の声です。生者に向けた。


廃屋はいおくロープウェイ」

 これは若干言葉遊びになっていて、単語が組み合わせられています。


 廃屋+ロープウェイであり。

 廃屋+ロープ+ウェーイ(パリピ的声)でもあるのです。

 ウェーイは後述のブギ・ウギの装飾の役割もしています。


 廃屋。ロープ。もう何も言うまい。


 続く「踊れや」は、誘いの言葉……のように見せ掛けた強制ですね。命令している。誰かが、誰かに向けて、『踊れ』と。


 踊れの言葉が向けられたのは──羅刹女。

 羅刹女らせつにょとは、仏教における悪鬼の一種であり、人を食う鬼女で、美しいとも言われているそうですね(諸説あり)。


 ベイベ(掛け声)=Baby(赤ん坊)、……。


 …………。

 この首の解説もうやめていいですか?

 もう伝わりましたか、この短歌の本質が。


 地獄です。地獄絵図なんです。最初から。ずっと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る